独立行政法人国際協力機構(JICA)が「第16回JICA理事長賞」表彰の受賞者48人を発表し、17日に授賞式を行った。同賞は例年、国際協力事業を通じて開発途上国の人材育成や発展に貢献した個人や団体の功績を讃え表彰するというもの。
ブラジル関連の受賞者には元シニア・ボランティアの浦田昌寛さん、サンパウロ大学公衆衛生学校客員教授のイトウ・ルーシー・サユリさん、リオグランデ・ド・スル州帰国研修員同窓会会長を勤めるフランシスコ・アントニオ・モンダドリ・ヴァーレさんが選ばれた。
今年はコロナ禍のため表彰式はビデオ通話アプリを通し、限られた人数で17日に行われた。その様子はブラジリア国費留学生同窓会(Abraex、ファビオ・タカシ・シバタ・ヤマニシ会長)のユーチューブチャンネルでも中継された。
受賞者の一人、元日系社会シニア・ボランティアの浦田昌寛さん(73、熊本市)は2003年から2018年にかけて4回の合計8年間派遣された。サンパウロ州柿生産者協会(APPC、ピラール・ド・スール市)を中心に柿やデコポンなどの果樹栽培技術指導にあたってきた。
海外受賞者の2人のうちイトウ・ルーシー・サユリさん(57、サンパウロ在住)は99年から公衆衛生分野の専門家としパラグアイ、ペルー、モザンビークで活躍。2012年から15年には「保健人材機関教員能力強化プロジェクト・フェーズⅡ」のチーフリーダを勤め、日本・モザンビーク・ブラジルの三カ国の調整を担った。
フランシスコ・アントニオ・モンダドリ・ヴァーレさん(62、リオグランデ・ド・スル州)は1987年に日本で行われた消防関連研修に参加。帰国後、南大河州の帰国研修員同窓会の会長に就任。以後約35年にわたり帰国研修員同窓会の活性化と組織発展に寄与すると共に、日本とブラジルの架け橋として貢献してきた。