29日に行われる決選投票を前に、サンパウロ市市長選を争うブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)とギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)が支持の獲得合戦を行っている。18日付伯字紙が報じている。
ボウロス氏にはまず、労働者党(PT)候補で得票数が6位に終わったジウマール・タット氏をはじめ、フェルナンド・ハダジ元市長、市議会議員選でトップ当選したエドゥアルド・スプリシー氏、ルーラ元大統領が推薦を明らかにしている。左派最大党のPTが応援につくことは、左派の票割れを起きにくくする意味で大きい。
一方、コーヴァス氏には、選挙1カ月前は支持率1位だったが投票では4位に終わったセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)が支持を表明している。ルッソマノ氏所属のRPはウニベルサル教会とのつながりがきわめて強い政党として有名。だが、同氏を支持したボルソナロ大統領はコーヴァス氏のPSDBと反目関係にある。
5位に終わったアルトゥール・ド・ヴァル(パトリオッタ)、8位に終わったジョイセ・ハッセルマン氏(社会自由党・PSL)といった新興右派の候補は「どちらも支持しない」との姿勢を打ち出している。
注目は、13%の支持で3位のマルセロ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)だ。18年大統領選3位のシロ・ゴメス氏が所属し、PSBと同盟関係にある民主労働党(PDT)は、サンパウロ市ではボウロス氏、リオ・グランデ・ド・スウ州ポルト・アレグレ市ではマヌエラ・ダヴィラ氏(ブラジル共産党・PCDoB)の推薦を決めているが、フランサ氏はPSBの出方を待っている。PSBは左派政党だが、フランサ氏はジェラウド・アウキミン氏(PSDB)が知事時代の副知事だった。