リベルダーデ友好会の平崎靖之会長、清原健児副会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の市川利雄会長、下本八郎元サンパウロ州議の4人は16日、ブラジル海軍が誇る原子力研究施設「ARAMAR実験センター」(CEA)を訪れて最新鋭の原子力潜水艦建造の現場を見学し、そこを統括する和田典明(のりあき)海軍中将らと昼食を共にした。
清原さんは「ボルソナロ大統領も先月末に施設を見学しに着たばかり。こんな先端施設を見ることは、一生に一度だと思います。これも和田中将のおかげ。たった2時間では短すぎた」と見学した印象をのべた。
平崎さんは「ARAMARのような重要施設を日系人が任されているというのはすばらしいこと」、下本さんも「こんな最先端研究施設は初めて見た。とても良かった」と感想を述べた。
同施設は聖市から西へ125キロ、ソロカバ都市圏のイペロ市に所在する。サンパウロ海軍技術センター(Centro Tecnológico da Marinha em São Paulo、CTMSP)の一部として、1988年に当時のサルネイ大統領が出席して竣工式を行った海軍による原子力研究施設。CTMSPのトップが和田中将だ。ここで、08年に仏との間で締結された技術移転協定に基づき、原子力潜水艦1艦を建造している最中だ。
ここでは、ウラン濃縮技術を始め原子力発電などの核開発に関する研究一般が進められている。万が一、アングラ原発で事故が起きた場合、生物兵器が使用された場合の対処法などにも責任を持つ最先端の研究施設だという。
和田中将は「わざわざ足を運んでもらい、ありがとう。次はノルデスチにも寄ってください」と挨拶したという。来月からは北東伯の第3海上管区(COM3DN)の司令官として転勤する。
COM3DNは、セアラー州からアラゴアス州までの海岸および海上を管轄する重要地区の一つだ。海軍航空隊、海兵隊、沿岸警備隊、海難救助隊、などが所属する。昨年は出所不明の原油が大量流出して海軍が中心になって処理作業を行うなどしたばかり。次も責任の重い赴任地だ。