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カンピーナス=野口英世胸像のプレート再設置=盗難受け、福島県人会再製作

一同で記念撮影(後列左から 安永博道文協副会長、福島県人会今井会長、右端が花田忠義文協会長)

一同で記念撮影(後列左から 安永博道文協副会長、福島県人会今井会長、右端が花田忠義文協会長)

 ブラジル福島県人会(今井マリーナ由美会長)は、カンピ―ナス日伯文化協会(花田忠義会長)とサンパウロ州カンピーナス市役所協力のもと、野口英世胸像に青銅鋳物プレートを再設置した。
 数年前にこのプレートは盗難避難に遭っていた。永山八郎県人会前会長の強い要請を受けて、2017年に100周年を迎えた同県人会の記念事業として、2年前からプレートの再製作が行われていた。
 10月の設置を受け、同県人会メンバーや同地文協関係者らが改めて11月7日に集まり記念撮影を行った。その当日、プレートを確認した一同は「新たに取り付けられて本当によかった。これからもこの胸像を維持できるよう守っていきたい」と語り合った。
 このプレート再製作に深く携わった同県人会の渡辺事務員(73・福島県)は、「プレートが盗まれてから、取られた部分がぽっかり空いてずっと気になっていた。この再設置でやっと元の胸像らしくなって本当によかった。協力していただいた多くの方にも感謝します」と述べた。

1970年3月当時の記念写真

1970年3月当時の記念写真

 当日の参加者は県人会から今井マリーナ由美会長夫妻と渡辺三男事務員。そしてカンピーナス日伯文化協会からは花田忠義会長や安永博道副会長。そのほか下條トーマスノリアキ氏、石井ジョージ千秋氏、金原ジュリアカズエ氏、海上ワタル氏、小林マリア和子氏が参加した。
 この胸像は1966年、当時の地元文協の和田金寿会長の立案を受け、福島県人会(石川茂雄会長)を通じて胸像建立計画のお伺いを県庁に立てたことに始まる。
 当時の木村守江知事が並みならぬ熱意を持って議会を説得し、この計画は実現した。胸像制作は日本の著名な彫刻家が手掛け、正面プレートと側面の日白友好のメッセージは木村知事の揮毫だ。
 これを設置する台座は地元文協、福島県人会が寄付を募って完成させた。当時、中心的役割を果たしたのが、金原友治、高原興与治、海原勝、石井三郎、下條兼雄ら5氏であったという。
 1967年6月、福島県人会創立50周年記念式式典時に訪れた木村知事は、この胸像序幕式にも臨み、地元日系人、カンピーナス市民から熱烈な歓迎をうけたと言われる。
 それから半世紀が過ぎ、会員の減少、胸像へ関心も薄れ、地元文協の老人会等が定期的に清掃活動を行ってきたが、高齢化が進み中止に追い込まれた。現在は市当局に清掃、管理、保守が委ねられている。
 野口英世像の設置場所は「野口英世広場」(Praça Dr. Hideyo Noguchi: Rua Eng. Candido Gomide , 287 , Jardim Guanabara, Campinas)。