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《サンパウロ市市長選》ボウロスが現職コーヴァスに肉薄=8%P差にまで迫る=再び左派政権誕生?

コーヴァス氏とボウロス氏(Twitter)

 29日に決選投票を控えたサンパウロ市市長選は、現職のブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)と、左派のギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)の差が急速に縮まってきており、余談を許さない状況となってきている。24日付伯字紙サイトが報じている。
 ダッタフォーリャは24日未明に、サンパウロ市市長選決選投票の最新の世論調査を発表した。それによると、市民の48%がコーヴァス氏に投票すると回答。対してボウロス氏には40%が投票すると回答した。
 ダッタフォーリャの調査は19日にも発表された。このときは、コーヴァス氏が48%だったのに対し、ボウロス氏は35%だったから、5日間で5%ポイントの差を詰めたことになる。
 別の調査団体イボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)が15日の一次投票直前に行った決選投票のシミュレーションでは、コーヴァス氏がボウロス氏に53%対26%の差で圧勝するとの結果が出ていた。これらのデータからは、この10日間でいかにボウロス氏が差を縮めてきているかがわかる。
 両者の支持率の内訳を見てみると、コーヴァス氏の支持率は60歳以上(73%)、低教育水準層(67%)、高所得者層(56%)で強い。対するボウロス氏は、若年層で圧倒的な支持を得ており、「16〜24歳」では65%、25〜34歳でも56%の支持を得ている。
 コーヴァス氏は4位に終わった保守派、福音派のセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)の支持者から72%、ボウロス氏は6位のジウマール・タット氏(労働者党・PT)の支持者から79%の支持を得ている。所属政党はボウロス氏支持ながら「中立」を発表した3位のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)の支持者は45%がコーヴァス氏、41%がボウロス氏と割れている。

 両者は現在、決選投票に向けた追い込みを行っている最中だ。コーヴァス氏は22日、福音派の大型教会である「アセンブレイア・デ・デウス」の礼拝に出向き、アピールを行った。大物牧師のヴァルデミール・サンチアゴ氏はこの集会で、「具体的な政治の支持は行わない」としながらも、コーヴァス氏のことを個人的に褒め称えている。
 一方、ボウロス氏は21日、自身のネット上の番組で、ルーラ元大統領、18年大統領選候補のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)とマリーナ・シウヴァ氏(REDE)、マラニョン州知事のフラヴィオ・ジノ氏(ブラジル共産党・PCdoB)といった左翼の大物政治家たちを一堂に集めてネット討論会を行い、左派代表であることを印象付けた。
 コーヴァス氏とボウロス氏は23日もクルトゥーラ局で討論会を行い、今後のコロナ対策や、深刻化している黒人差別の問題などについて激論を交わした。
 ボウロス氏は24日、キャンペーンに協力していた同党の女性下議が新型コロナに感染したことが判明したとして、自分も検査を受け、検査結果が出るまでは路上でのキャンペーンを中止することを発表した。