ホーム | 日系社会ニュース | 援協=与儀会長4年務め年内勇退=税田清七氏にバトン託す=医療機関で3位の高評価も

援協=与儀会長4年務め年内勇退=税田清七氏にバトン託す=医療機関で3位の高評価も

税田パウロ清七新会長(左)と与儀上原昭雄会長

税田パウロ清七新会長(左)と与儀上原昭雄会長

 10月24日にサンパウロ市のサンパウロ日伯援護協会本部ビル5階で評議会が行われ、2021年から22年度の理事会役員の単一シャッパが承認され、税田(さいた)パウロ清七(せいしち)氏が会長に就任することになった。税田新会長は援協理事会に23年間も所属し、うち6年間は副会長で経験豊富。「チームワークには自信がある」とコメントを寄せ、「まずは引き継がれたプロジェクトの遂行したい」と意気込んだ。


 2期4年の任期を務めた与儀現会長は「大変忙しかったが、素晴らしい経験でした」と振り返る。規定上あと1期続ける事も可能だったが「誰かに譲ったほうが良い」と感じて勇退を選んだという。
 本年、援協はカナダの国際認定機関「QMentum」から医療品質認証を獲得し、ONA(ブラジル優良病院認定協会)の最高認定レベル3(優良)も継続して取得している。

日伯友好病院や援護協会がランクインしている雑誌

日伯友好病院や援護協会がランクインしている雑誌

 さらにEditora Três発刊の企業番付「ISTOÉ DINHEIRO」では、ブラジル国内企業中、日伯援護協会は808位と日伯友好病院が828位、医療分野では3位という高い評価を受けた。Valor econômico発刊の「Valor1000」でも同病院が905位に入る業績を収めた。
 「ひとつ申し上げたいのは、この功績は歴代の会長達が基盤を築いていたから。土を耕し、良い種を植えたから良い実がなったのです」と与儀現会長は歴代の会長を讃えた。
 黒字収益を出している日伯友好病院だが、同協会傘下の老人ホームなどの福祉事業は毎月100万から120万レアルの赤字が発生しており、友好病院の黒字から補って運営しているため「収益を出すことは非常に重要」と考える。
 現在、パルケ・ノボ・ムンド区に日伯友好病院の新棟やPIPA施設の建設による更なる事業拡大も進められている。コロナ禍で遅れが出たものの来年度中ごろに竣工できる見込みだという。
 病院拡大を進める一方で「業績には波があるもの、業績が良い時にこそ悪化した際に備えなければ」と気を引き締め、「友好病院の補填なしでも運営できるようにするのが課題です」と与儀会長は語った。
 一例としてサンパウロ州スザノ市のイペランジアホームでコスト削減のための電気設備改修工事や、カンポス・ド・ジョルダン市にある高齢者養護施設さくらホームの桜公園に本格的な日本庭園を造園し通年収入が入るよう計画している。
 税田次期会長は就任にあたって、「2年間は激務と大きな責任を伴うでしょう。高齢者を中心とした日系社会やブラジル社会への支援のため、常に改善していきたい」と述べ「そのためには与儀現会長を含め、職員や役員のお力を借りたい」と頭をさげた。