11月29日の決選投票で当選を決めたサンパウロ州バウルーの新市長が、黒人女性ということで殺人予告などの嫌がらせを受けていたことが明らかとなった。1日付現地紙が報じている。
被害を訴えたのは、バウル市長選に当選したスエレン・ロジム氏だ。彼女によると、「決選投票の前後から、ワッツアップを介して人種差別の嫌がらせを受けていた」という。
決選投票前から、「わが市を、あのようなファヴェーラ住民然とした顔の女に統治させるわけにはいかない」「黒い肌の人物に市はまかせられない」などと書かれたメッセージが市民の間で流されていたことを知ったスエレン氏は、決選投票後に警察に届け出た。
届け出を受けた市警は現在、人種差別の容疑で捜査中だ。現時点ではまだ、犯人の手掛かりはつかめていない。スエレン氏は、「今回の件が犯罪として裁かれ、他の人の見本になってほしい」と願っている。
同氏はバウル市政はじまって以来初となる黒人市長というだけでなく、女性で32歳ということでも話題だった。なお、所属政党は黒人女性の政治家に多い左派ではなく、福音派右派政党のパトリオッタ所属だ。