ブラジル国内で負債を抱える家庭の割合は3カ月連続で低下し、11月は新型コロナのパンデミックが始まる前の2月と同じ水準に戻った。
全国財・サービス・観光商業連合(CNC)が1日に発表した消費者の負債・債務不履行全国調査(Peic)のデータによると、11月は、負債を抱える家庭の割合が前月より0・5%ポイント低い66%となった。この場合の負債は、先付小切手、クレジットカード、特別小切手、商店の払込票(Carne)、個人的な借金や融資、家や車のローンなどで、返済遅れが生じていない場合も負債とみなす。
負債最多はクレジットカードで、負債を抱えている家庭の77・8%はクレジットカードを利用していた。以下、商店の払込票16・1%、車のローン10・7%のように、中長期的な支払を行う例が続いている。
負債を抱えている家庭を所得別に見ると、最低賃金10未満の家庭では3カ月連続で割合が低下し、67・5%となった。最低賃金10以上の家庭での割合は59・3%で、前月と同じ水準だった。
CNCは、最近の指標は推定値より堅実に経済が回復している事を示していると評価している。だが、その事は同時にインフレ圧力となっているともいう。
他方、返済が遅れる債務不履行の割合も減っており、11月は前月より0・4%ポイント低い25・7%となった。同様に、遅滞している負債の返済が不能と宣言した家庭の割合も、0・4%ポイント減の11・5%となった。
ただし、低下したとはいえ、債務不履行の家庭や返済不能を宣言した家庭の割合はいずれも、昨年同月の24・7%と10・2%を上回っており、注意が必要だ。
また、債務の返済遅れが生じた家庭が返済を終えるまでの期間は5月以降伸びており、11月は平均62・5日だった。返済が90日以上遅れている家庭の割合も増えており、11月は42・9%に達している。(1日付アジェンシア・ブラジルより)