大半が10代だった若者9人が犠牲になった、サンパウロ市西部にある巨大ファベーラ、パライゾーポリスでのファンキ・パーティ圧死事件から、1日でちょうど1年が経過した。狭い会場に逃げ込んだ麻薬密売者を追いつめようと、軍警が無理な追跡を行った結果、逃げ惑ったパーティ参加者らが貧民街の迷路のような路地で将棋倒しとなってもたらされた悲劇だ。亡くなった少年少女たちの遺族は現在も、責任の所在を明確にすることと損害賠償を求めて動いており、1日にはサンパウロ州政庁であるバンデイランテス宮前で抗議活動を展開した。遺族たちの話によると、彼らの求めに対して、州政府からは何の返答もないという。いずれ裁判も行われるだろうが、かねてから問題が多いとされる軍警の捜査方法を見直す意味でも厳正に裁いてほしいところだ。
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1日のサッカーのリベルタドーレス杯。昨年の覇者フラメンゴは決勝トーナメントの対ラシン戦第2試合を、第1戦に引き続き1―1で引き分け、PK戦にもつれ込んだ。その結果、3―5で敗れ、ベスト16で姿を消した。本拠地での第2戦で試合を優位に進めながら勝てなかったロジェリオ・セニ監督の責任を、ファンたちは追及。つい先日監督になったばかりなのに、さっそく解任を求めている。監督としても出世し始めたセニだが、人気チームの監督は大変だ。
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前日ほどではなかったが、1日もゲリラ豪雨が降ったサンパウロ市。南部ヴィラ・マリアーナでは高さ20メートル、直径1メートル超の木が、家族4人が乗った車と民家を直撃。その衝撃で、車を運転していた45歳の女性が亡くなり、彼女の夫と10歳と8歳の子供2人が病院に運ばれる、悲しい事故が起きている。毎年、この時期のこうした報道に接するのはつらい。