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《ブラジル最高裁》両院議長の再出馬有利に=初日の判事投票は賛成多数

 ダヴィ・アルコルンブレ、ロドリゴ・マイア上下両院議長(共に民主党・DEM)の再出馬の可能性に関する審理が4日、最高裁で行われ、「両者とも出馬可能」が多数となり、出馬できる可能性が強まっている。4日付現地サイトが報じている。
 今回の審理は、ブラジル労働党(PTB)が出したもので、アルコルンブレ、マイア両議長の再出馬に疑問を呈したもの。
 憲法では、「同じ議員任期の間に、同じ役職を2回続けて務めることはできない」とされている。現職議員の任期は2019年2月~23年1月だが、議会内の役職任期は2年間で、現議長らの任期は19年2月~21年1月(2月1日改選)だ。憲法に従うと、来年の改選時には、両議長は再選出馬できないことになる。
 だが、「議会のことは議会の意思を尊重」とする伝統があり、この日の審理では報告官をつとめたジウマール・メンデス判事がこの見解をもって出馬を承認。これにジアス・トフォリ、アレッシャンドレ・デ・モラエス、リカルド・レヴァンドウスキーの各判事が賛成で続いた。
 この日の審理ではもうひとりの判事が投票したが、カシオ・マルケス判事は、アルコルンブレ氏の出馬は了承するものの、マイア氏には反対とした。

 マイア氏は現在の任期前、15〜18年においても16年に議長辞任したエドゥアルド・クーニャ氏の後任選挙で当選した。その時は期間の短さゆえに17〜18年も議長就任を認められていた。
 だが、今回の審理には別の狙いもささやかれている。訴えを起こしたPTBは、ボルソナロ氏が中道勢力セントロンに接近後に懇意にしている政党で、大統領に厳しい態度で知られる現上下院長を挿げ替えたいとの思惑が伺われる。セントロンはアルトゥール・リラ氏(PP)を次期下院議長候補に推している。大統領から指名され、10月に最高裁判事となったカシオ判事は、PPとつながりの深い人物でもある。
 審理は来週に持ち越され、現状では再出馬有利だが、この後は「再選反対」派とみられるエジソン・ファキン、アウレリオ・メロの両判事の票が控えている。