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《ブラジル》ボルソナロが投票の手集計復活に固執=トランプが抗議する集計法だが

電子集計機(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領とその一派の政治家らが「安全性」を理由に、「次期大統領選挙では手作業の票集計を」と訴え、抗議している。7日付現地紙が報じている。
 ボルソナロ大統領一派は、11月に行われた統一地方選の前から、票集計を現在の電子式から手集計に戻すよう訴えており、6日には大統領府前で大統領支持派によるデモが行われた。
 このデモで、大統領派として知られるダニエル・シルヴェイラ下議(社会自由党・PSL)が、「コンピューター関係の友人が何人も、電子集計は危ないと言っている。安全性を守る必要がある」と主張して、手集計を擁護した。
 同下議はこれまでも、「反連邦議会、反最高裁」の反民主主義を煽る行為を行ったとして、連邦警察の捜査対象になっている。この日も、最高裁判事たちを「犯罪者予備軍(境界線)」、選挙高裁のルイス・ロベルト・バローゾ長官を「子供(moleque)」などと呼んだ。

 大統領支持者らはマスクもせずにデモに参加して群れをなし、大統領府周辺の交通を妨げるなどの問題も起こしている。
 ボルソナロ大統領も7日、手集計について「連邦議会のリーダー達と話し合っている」「国民が望んでいる」とし、法改正に自信を見せる発言を行った。この前日には、最高裁でロドリゴ・マイア現下院議長が次期議長選に出馬できないことが決まっており、自身が推すアルトーゥル・リラ氏を議長にし、選挙法改正に持ち込みたいとの意欲を示している。
 もっとも、ブラジル大統領は11月の米国大統領選に関して「不正投票が行われた」と主張しているが、トランプ氏が不正を主張し続けているのはこの手集計の方だ。
 バローゾ選挙高裁長官は、こうした主張を「不必要で、かえって混乱を招く」と反論した。最高裁は9月に、手集計は違憲との判断も下している。
 手集計に戻すと25億レアルの費用がかかるとも言われている。さらに、11月15日の統一地方選一次投票で、選挙高裁のコンピューターにハッキングが行い、後日逮捕されたポルトガル在住のハッカーが、犯行前にコンタクトをとったとされるブラジル国内の人物(複数)は、極右論者だったと言われている。