【既報関連】ミナス・ジェライス州で4日に発生したバス転落事故は、死者が19人に増え、空軍機などで移送された遺体の埋葬も行われた。行方をくらましていた運転手が7日に警察に出頭した事で、現場の再現作業なども可能になったため、事故原因の捜査も進展する見込みだ。
転落事故が発生したのは、ミナス州中央部ジョアン・モンレヴァデを走る国道381号線350キロ地点。線路上、約35メートルの所を通る「トルタ橋」と呼ばれる高架橋だ。
当日は即死者12人と病院に運ばれる途中や病院で亡くなった5人の17人が死亡、負傷者27人と報じられた。その後も亡くなる人が出て、5日夜現在の死者は19人となった。7日現在も入院加療中の負傷者が11人いる。
事故を起こしたバスはロカリマ・トゥリズモ所有で、乗客を乗せて営業運行する許可は得ていなかった。またミナス州を走行中に違反切符を切られた事が6回あった。
生存者の証言などからは、坂を上っている途中でバスが後退し始め、ガードレールを突き破って転落した事、転落直前に運転手が乗客に車外に飛び出すよう声をかけて、自分も飛び出した事などがわかっていたが、運転手は事故直後に姿を消してしまった。
乗客の大半はアラゴアス州マッタ・グランデ在住者。3日の朝に現地を出て、サンパウロに向かっていた。途中の4日午後1時半頃、事故が起きた。
14人の遺体は空軍機でアラゴアス州に運ばれ、マッタ・グランデ、アグア・ブランカ、デルミロ・ゴウヴェラ、パリコーニャの4市での葬儀後、埋葬された。7日夜~8日朝に執り行われた葬儀や埋葬の場には、会場に入る人の数やマスクの有無をチェックし、コントロールする市職員の姿も見られた。
残った死者の1人はミナス州ベロオリゾンテ在住者で、遺体は遺族が引き取った。その他の4人の遺体は陸路でサンパウロに運ばれ、葬儀の後、埋葬された。 事故直後に姿を消した運転手(47)は7日午後、警察に出頭。上り坂でブレーキが利かなくなった事や、事故の後、皆が自分を探しているのを見て追い詰められた気持ちになったのと、リンチに遭ったりするのが怖かったので、現場から逃げた事などを涙ながらに話したという。
バスを所有する会社の社長(女性)と主任(その夫)は動揺が激しく、8日現在もミナス州まで出向けずにいる。警察は9日に運転手同伴で現場を訪れ、連邦道路警察や交通監視機関の協力を得た上で現場再現作業を実施。鑑識による車体検査の結果なども踏まえ、事故の原因を探る。社長夫妻も落ち着きを取り戻し次第、事情聴取に応じる予定だ。(5~8日付G1サイト、R7サイトなどより)