《ブラジル》来年も非常事態財政継続か?=ゲデス難色示すも継続望む声強く=年末までの下院の動きに注目

2021年の国家財政に関し、パウロ・ゲデス経済相は例年どおりの財政運営を期待している。だが経済専門家たちは軒並み、新型コロナウイルスのパンデミックが収束を見ていないことで、非常事態(カラミティ)宣言の延長が必要」と見ており、「戦争財政」とも言われる今の歳出多寡に大幅に傾いた財政運営が続くだろうとの見解を示している。9日付フォーリャ紙が報じている。
先週、第3四半期のGDP(国内総生産)が発表された時点で、経済省は、7・7%の景気回復を記録したのなら「経済の回復は順調」と判断。21年は通常通りの財政運営に戻すつもりで、「12月いっぱいで緊急支援金の支給を打ち切る」ことをダメ押しするような物言いが目立っていた。
だが、経済省の中でさえ「カラミティの状態は続く」と見ている人がかなりおり、非常事態宣言下の財政運営の期間を延長する準備を実は進めているという。
慎重派の経済専門家たちに言わせると、仮にコロナの感染が収まっても、特別な出費が止まることはないという。それは、感染抑止のためのワクチンを購入するための費用などが不可欠とみられているためだ。
現在の非常事態宣言は12月31日で終わる。来年から通常通りに戻るのならば、財政支出の上限を厳守、つまり、前年の支出にインフレ分を考慮した額までしか政府の支出が許されないことになる。
非常事態であるがゆえに認められていた、一時帰休や時短・減給、交通費の差し止めなどは認められなくなり、雇用主は被雇用者に正規の額を支払わなければならなくなる。
ゲデス経済相と側近らは、11月から再び悪化しているコロナ禍に関し、「第2波は来つつある」と見てはいるものの、「第1波ほど大きなものではなく、緊急支援金の必要はない」との見方を示し、カラミティの更新には関心を示していなかったという。
だが、最近になって同経済相は、「このまま死者や感染者の数が上がり続ければ、本格的に第2波が到来したと見なさなければならない」との発言をし始めているという。
経済省がカラミティを嫌がるのは、現状でも「国内総生産の96%にも達し得る」とされる公的負債の、さらなる増大を恐れているためだ。
連邦政府は「すべては保健省が今後発表する数字次第になる」と見ているという。だが、この件が今年の残り3週間のうちに連邦議会で話し合われなければ、カラミティは年内で失効し、来年以降はコロナ禍に関する経費も、その都度、連邦議会の承認を得ないと支出できなくなる。
カラミティの延長に対し、ロドリゴ・マイア下院議長は「その必要はない」との見解をとっている。だが、カラミティを更新しない場合の財政を不安視する声は議会周辺でも日に日に強くなっているという。