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身を切られる悲しみと肩の荷が下りる喜び

予防接種を待つイギリス在住のブラジル人女性(8日付G1サイトの記事の一部)

予防接種を待つイギリス在住のブラジル人女性(8日付G1サイトの記事の一部)予防接種を待つイギリス在住のブラジル人女性(8日付G1サイトの記事の一部)

 キリストの降誕を祝うクリスマスが近づき、2本のローソクに灯を点した6日朝、友人の一人が脳血管障害(AVC)で急死したとの知らせを受け、言葉を失った。
 11月18日には別の友人がAVCを起こし、現在も入院中。それに加えて、つい先日は心筋梗塞で義兄弟を失った友人もいた。あまりに立て続けで、言葉にならない。
 AVCや心筋梗塞を起こす人が続くのは新型コロナのせいかも知れないと思うと、悲しみと共に怒りもこみ上げる。コロナ感染でAVCを起こしかけたが医師の適切な判断で大事に至らずに済んだという話もあったが、感染症で血栓ができ、AVCや心筋梗塞、腎臓病を起こした例を何度聞いた事だろう。
 伯国では18万人弱、世界では150万人以上の命を奪ったコロナ。AVCや心筋梗塞が死因とされた人の中にもコロナ故の死だった人が相当数いるはずだ。これ程までに多くの人の命を奪い、苦しめ、悲しめるのかと思うと、悲しみや怒りを禁じえない。
 だからこそ、英国で始まったコロナの予防接種第1号で、来週91歳になる女性の「コロナで会えなくなった家族とも会えるようになる」「人生で最大の贈り物」という言葉が心に沁みた。
 また、イギリス人と結婚し、予防接種を待つ70歳のブラジル人女性が、「肩の荷が下りるようだ」と語る気持ちもよくわかる。
 同船者に会いに行きたいと言う夫に「ダメ」と言い続け、子供や孫の誕生日もビデオ通話だけ。毎週の楽しみだったコーラスの仲間のご主人や家族ぐるみで付き合っていた会計士、友人の娘さんもコロナで亡くなった。
 失った命や過ぎ去った日々は取り戻せないが、予防接種はそういった悲しみを減らしてくれるに違いない。1日も早い全員接種をと願う人はきっと多い事だろう。(み)