サフラ銀行総裁で、ブラジルを代表する大富豪として知られたジョセフ・サフラ氏が10日、82歳で死去した。同日付現地サイトが報じている。
サフラ氏は1938年にレバノンで、サフラ家の三男として生まれた。ブラジルにわたってきたのは1960年代になってから。父のジェイコブ氏はベイルートで開いていた銀行を1952年にブラジルに移転させ、55年から現在のサフラ銀行をサンパウロ市で開業。ジョセフ氏はそれを引き継ぐ形となった。
ジョセフ氏は兄のモイゼ氏と共に、ブラジルでのサフラ銀行の拡大に貢献した。同銀行の総責任者となったのは2006年。モイゼ氏が死去した際に彼が持っていた同社株の半分を、全て買い取ってからだった。
サフラ氏のもう一人の兄でジェイコブ氏の長兄のエドモンド氏も成功した銀行家で、米国でリバプリック・ナショナル銀行を開業。1999年にHSBC銀行に買収されるまで、同行の経営責任者をつとめていた。
同銀行の発表によるとサフラ氏の死因は自然死だったという。
サフラ氏はブラジルにおいて長らく長者番付の上位常連として知られ、遺産総額は1190億レアルとも言われている。