保健省が11日に最高裁に全国予防接種計画を提出したが、具体的な日付がなく、リカルド・レワンドウスキー判事が48時間以内に日程を明確にするよう命じた。同省は国家衛生監督庁(Anvisa)が承認する予防接種ワクチンを全て購入するとも発言し始めたと11~14日付現地紙、サイトが報じた。
新予防接種計画には、医療従事者や高齢者などに優先的に接種を行う事や、この段階では1億800万回分のワクチンを要する事、接種には5カ月かかる事などが記されているが、予防接種開始日や具体的な日程は明記されていない。
また、保健省自身、新型ウイルスの感染拡大抑制には最低でも人口の70%が免疫を持つ必要があるというが、新計画の対象は5100万人で、2億1200万人に及ぶ人口の4分の1に過ぎない。
保健省はAnvisaが承認するまで接種開始日や日程は決まらないし、今使えるワクチンはないとしつつ、アストラゼネカとファイザー、コバックス・ファシリティの3ワクチンを明記している。レワンドウスキー判事は13日、48時間以内に接種開始日などの明確化を命じた。
医療の専門家達も12日、事前のオリエンテーションも求めずに計画を提出した事などに疑問を呈した上で、優先接種の対象者を増やし、承認されたワクチンは全て購入する事を要請した。
予防接種問題は、ワクチンの選択や接種開始の時期などで揺れている。保健省は先週、ファイザー社のワクチン購入で合意書にサインしたが、米国食品医薬品局(FDA)が同社のワクチンを承認、即接種開始となったためか、ブラジルへの納品は来年3月までに200万回分だけだという。
11日にはゴイアス州のロナルド・カイアド知事が予防接種計画は国が統括すべきと語り、サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が同知事と連邦政府を「パンデミックを否定して分裂を招き、国民を放棄」などと批判する場面も見られた。
パズエロ保健相はこの日、パンデミックは続いており、ウイルスとの共生が必要とし、「全ての州は平等に扱われる」「Anvisaが承認したワクチンは全て購入する」と発言した。
ブラジルでの感染拡大は悪化の一途で、感染学上の第50週(6~12日)の新規感染者は30万2950人、死者も4495人。5週連続で増加中で、死者増は10月初旬、感染者増は8月中旬の水準だ。
13日現在の感染者は690万1952人、死者は18万1402人で、メディア算出の1日あたりの平均死者数637人は2週間前の23%増だ。平均感染者数は4万2721人は11日間連続の4万人超えで、2週間での増加率は20%となった。
リオ市の場合、感染拡大に伴う死者増加は、1~9日のコロナ感染症による死者埋葬数が53人/日となり、前月の29人/日の倍近い事にも表れた。
13日には、国内で唯一感染者ゼロだったミナス州セドロ・ド・アバエテでも2人の感染が確認された。
ドリア知事は12日、保健省がコロナバックを購入しても同州の予防接種計画には影響しないと明言した。他方、サンパウロ市ブタンタン研究所は14日、当初は15日に予定していた治験結果の報告提出を23日に延期した。