【既報関連】大統領長男の疑惑をもみ消すという私的な目的のために、国家諜報機関のブラジル情報局(ABIN)が調査報告書を作成したとの報道を受け、連邦検察庁と最高裁が事態を深刻視していると14、15日付現地紙、サイトが報じている。
これは、フラヴィオ氏がリオ州議時代に行っていたとされる幽霊職員の給与のキックバック(ラシャジーニャ)による不正所得疑惑に関するもの。大統領一家の友人であるアレッシャンドレ・ラマジェム氏が長官を務めるABINが、連邦警察の捜査・告発から逃れるのに有効な手段を秘密裏に調べ、長男とその弁護士に複数の調査報告書として渡した容疑に対する司法側からの反発だ。
フラヴィオ氏やその側近に捜査関連文書を入手する方法を手ほどきすると共に、「国税庁関係者が悪事を働いている」として、同庁関係者の人事交代を求めるよう勧め、実際に圧力をかけていたとされる。
この件を受けて連邦検察庁は、フラヴィオ氏を守る意思があったのかの判断を行うため、ABINとその統括組織である大統領府安全保障室(GSI)に対し、本件に関する情報提出を求めた。ABINに関する疑惑は、ラシャジーニャ疑惑に関する捜査の一部に組み込まれる。
アウグスト・アラス検察庁長官は、「まずは証拠を見つけないことには」との姿勢を見せながらも、この疑惑を伝えた「エポカ」誌の内容に関し、「きわめて深刻」との判断を下している。
ボルソナロ大統領の指名を受けて長官に選出されたアラス氏は、ボルソナロ一家の捜査に対して消極的な態度をとって来た。今回、検察庁が動いた背景には、50人を超える下院議員たちから捜査を求める声が出たためとされている。
一方、最高裁でも14日、カルメン・ルシア判事がABINとGSIに対し、24時間以内にラシャジーニャ揉み消し疑惑に関する情報を提出するよう命じた。国家機関を個人の利益のために利用することは禁じられており、同判事も本件を「重大な問題」と判断している。