日本国外務省研修生OB会(上原テリオ会長)が多難だった2020年の忘年会を4日晩、オンラインで開催した。上原ケンゾウ・パウロさんのコーディネートにより、約60人が集まった。当日は楠彰在サンパウロ首席領事、マナウス総領事館に転任になった中村玲子領事の挨拶もあり、日本滞在中の関口ひとみマナウス総領事も参加した。
上原会長は11月3、4、5日に開催された「外務省研修生OB会ラテンアメリカ会議」の第17回総会に触れ、「パンデミックの中で、新しい方法を模索した結果、むしろ200%も参加者が増え、10万回の視聴を記録した」と強調した。今年コロナ禍が始まってから引き受けた会長職だが、「新しい日常」への適応を果敢に行い、影響力を広げるという成果を上げてきた。「11人もの大使に出席していただいたことに心から感謝したい」と締めくくった。
木多ロジェリオさんの司会で、本田イズムさんが質問者となり、大先輩OBであるエンジニアの千坂征彦さん(1967年派遣)、ナカエ・コトさん(1981年派遣)、和田忠義さん(1987年)の体験談を聞いた。
中でも千坂さんは、サントスに下るイミグランテ街道の工事に関わったことを尋ねられ、「今日、たくさんのトンネルや陸橋を通りながら当時の工事で降りかかった難題を考え深く思い出すよ」としみじみ答えていた。
和田さんは、渡部和夫さんらと共にアルモニア学生寮の第一期生として世話になったなり初めから語り始め、現在のアルモニア日伯学園に生まれ変わった経緯を説明し、ブラジル社会に求められる存在になることの大事さを説いた。「25年間、アルモニアの会長を奉職している。日伯サッカー交流は渡辺次雄さんが始めたが、当時、留学業者が商売としてやるものばかりだった中、まじめな交流として分水嶺になったと思っている。みんないつでも見学に来てくれ。そして、手伝ってくれ」と呼びかけた。
最後に、日本から参加した関口在マナウス総領事は、「ブラジルは夏だが、今日本は冬で気温5度。でもこの集まりはスーパーファミリーの温もりを持っていると感じた。先月の総会は大成功に終わり、絆の大切さを実感させてくれた。この新しいやり方を生み出してくれた上原会長に心から感謝し、この仲間の絆がいつまでも続くことを祈念する。どうぞ良いお年をお迎え下さい」と挨拶した。
同OB会から中野マルシアさんが、中村領事には3年間とても世話になったという感謝の言葉が述べられ、中村領事が参加したイベントで撮影された多数の写真のスライドショーが上映された。中村領事は「サンパウロを去るのは本当に残念。でもマナウスでは関口総領事と共にあちらのコミュニティとの繋がりを強めます。皆さんと知り合えてとても光栄でした」と感謝した。
最後に大原毅さんが乾杯の音頭を取って、閉幕となった。