ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》公立校ブロードバンド化に大統領が拒否権=電通サービス関連法の大筋は承認

《ブラジル》公立校ブロードバンド化に大統領が拒否権=電通サービス関連法の大筋は承認

 ボルソナロ大統領は17日、連邦議会が承認した、電気通信サービス全般化基金(FUST)の用途に関する法案を裁可したが、2024年までに公立学校のインターネットのブロードバンド化を義務づける項目に拒否権を行使した。17日付現地紙サイトが報じている。
 拒否権を行使したのは、2024年までに全国の公立学校(特に市街地から外れ、ネットへのアクセスが困難な地域の学校)に適切な速度のブロードバンドを行きわたせるという項目だ。FUSTの用途に関する法案は、上下両院で承認され、裁可を待っていた。

 FUSTは2000年に作られた基金で、インターネット、電話、ラジオ、テレビなどの電気通信サービスに関する格差是正を目的としている。これらのサービスは、低所得者や人口が少ない地域、インフラが整備されていない地域でには行き届いていない。
 ボルソナロ大統領は拒否権行使の理由として、経済省から「国家予算に甚大な影響を与える」という声が出たことをあげた。経済省は、新型コロナウイルスによる非常事態後の財政に想定外の支出を強いると進言したという。
 大統領は、人間開発指数が低い地域への電信サービス普及にFUSTの資金を投じることを規定した項目にも拒否権を行使している。
 今回の拒否権行使は、経済省と通信省の意向とされている。