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《ブラジル》コロナ禍=医療崩壊各地でより深刻に=週間の感染者数が新記録=死者は9月の水準だが

週別の感染者の推移(保健省公式サイトより)

 新型コロナウイルスの感染再拡大で、13~19日(感染学上の第51週)の新規感染者数は過去最高だった7月19~25日(第30週)の31万9653人を超える33万3028人、死者は9月13~19日(第38週)の5322人に次ぐ5233人に達した。医療体制が追い付かない状況も増えていると19~21日付現地紙、サイトが報じた。
 新規感染者や新たな死者の増加は11月第2週から6週連続で、感染学上第51週の新規感染者数は前週より9・9%、新たな死者の数は16・4%増えた。
 19日現在の感染者は721万3155人、死者は18万6356人。20日には、サンパウロ州とゴイアス州の数字が更新されていない状態で、感染者が2万5445人増の723万8600人、死者が408人増の18万6764人となった。
 第51週の新規感染者数が前週を下回ったのは9州、死者が前週以下の州は6州で、2週連続で減少した州は僅かだ。20日までの7日間の平均の感染者は4万8093人/日、死者は766人/日となった。
 第51週の州別感染者最多はサンパウロの5万337人で、パラナ4万7050人、リオ・グランデ・ド・スル3万2899人、サンタカタリーナ3万1240人、ミナス・ジェライス2万9642人と続く。

週別の死者の推移(保健省公式サイトより)

 死者の増加数もサンパウロ1058人、リオ736人、パラナ511人、リオ・グランデ・ド・スル494人、ミナス・ジェライス448人、サンタカタリーナ334人となっている。
 南部3州は、前週末と比べた感染者と死者の増加率が全国1~3位(感染者14・4~7・3%、死者7・7~6・5%)を独占する状態が続いている。ただし、新たな死者の増加率(前週比)は、セアラー州の66・7%やゴイアス州の63・3%などが上回っている。
 サンパウロ州の死者増加率は前週末比で2・4%で、新たな死者の数は前週比で5・6%増えた。サンパウロ大都市圏の場合、18日までの7日間の死者数は1日平均88人で、11月10日時点での1日平均22人の4倍に達した。
 パンデミックが長期化している上、感染者や死者が急速に増えている事は、医療現場の困窮や医療崩壊も招く。19日付フォーリャ紙はマスクなどの資材や医療従事者が足りない州や、医療従事者への給与さえ払えない州があると報じた。
 医療崩壊といえる例の報告も増えており、病床の空きを待つ間に亡くなる人の例や、集中治療室に遺体が13時間放置されていたといった報道も出ている。
 17日朝、死亡した女優クリスチーナ・ロドリゲス(57)は、14日夜、リオ市チジュッカの救急診療所(UPA)で診察を受けたが、酸素吸入が必要な状態なのに集中治療室は空きがなく、UPAで空きを待ち続けている間に亡くなった。
 ロライマ州で唯一、コロナ重症患者に対応可能な州立総合病院は、集中治療室が100%埋まった状態が21日の時点で3日目に入った。19日にはアマゾナス州マナウス市の救急病院で、高齢者らがいる病室に遺体が放置されたままになっている様子を映したビデオが流れ、物議を醸した。