静岡県人会(原永門会長)は6日に「弁当販売」を開催し、予約時点で完売した。「メカジキの味噌焼き弁当」「鯵の蒲焼き弁当」「鳥の唐揚げ弁当」などの弁当は合計約380食、「シュークリーム」「抹茶どらやき」などのデザートは合計約360個が販売され、大盛況に終わった。
二日がかりで準備して当日を迎え、約20人もの若者らが台所の作業に汗を流した。川崎ヘレナ副会長は「コロナで婦人部は高齢のため自粛しています。その代わりに若手が中心となり手伝ってくれました。彼らがいなければ、とても開催できませんでした」と頼もしそうに微笑んだ。
県人会の現状について、「どこも同じ様な状況と思いますが、収入の大黒柱だったカラオケ大会への場所貸し収入や日本祭りの収益が無くなって、経費支払いが厳しい状態です」という。「来年の県費留学が決定していた野村ダニーロさんが中止になったり、色々と大変な1年でした」と今年のコロナ禍の影響を語る。
その他、元県費留学生の佐藤ジュリエさん(26歳、三世)は「このイベントを皆と一緒に手伝うことができて楽しかった。久しぶりに人にあって話すことができたことが何よりも楽しかったです。アブラッソはまだできませんが、人と会うことの大切さに改めて気づきました」と笑顔で述べた。
グーグル辞めて菓子職人に=コロナで県費留学が中止
野村・ダニーロ・マサトさん(31歳、四世)は、静岡県人会のイベントで販売していたデザートをすべて作った。「自分の作ったお菓子を多くのお客様に食べてもらう機会に参加できて本当に嬉しい。これからもより美味しいお菓子を作れるよう研究したいです」と感想を述べた。
野村さんはサンパウロ州立総合大学(USP)卒業後、大手IT企業グーグルに5年勤務したが、念願の夢だった菓子職人になる目標を叶えるために昨年に退職。同年にサンパウロ料理学校で菓子作りを学び、技術をさらに磨くために洋菓子の本場フランス・パリに3カ月間、菓子作りの修行に行った。
来年は静岡県へ県費留学に行くことも決まってしていたが、新型コロナでやむなく中止となった。
野村さんは「コロナでの中止は仕方ない。今は世界中が大変なので、この災禍が終わるまでそういった留学はできないとおもう」と納得した様子。「ただ、日本への留学は本当に楽しみにしていたので、このコロナが終わったら必ず行きたい。そして日本の和菓子や洋菓子技術を学んでブラジルで広めたい」とコロナ後への期待を語った。
野村さんは現在デリバリー専門でデザート販売を行っている。購入・商品一覧・質問などは以下まで連絡を。(インスタグラム=www.instagram.com/danilmno/?hl=ja)