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アマゾン議会が復活=周辺9カ国で持続可能な開発目指す

アマゾン熱帯雨林の森林火災の被害地域(2019 – Vinícius Mendonça/Ibama)

 アマゾン会議(Parlamaz)は周辺9カ国が1989年4月17日に創設して近年は活動停止していたが、21日に再開されたと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
 同会議の目的は、アマゾン地域における国際協力と持続可能な開発の促進で、関係諸国が議論を重ね、統合的な政策確立を目指していた。
 だが、2019年にエクアドルでの会議が行われるまでの8年間、活動が停止。昨年の会議後に議論を重ね、プロジェクトの立案・継続のための会議復活が決まり、21日のビデオ会議開催となった。
 参加国はブラジル、ボリビア、コロンビア、ペルー、エクアドル、ベネズエラ、スリナム、ガイアナ、仏領ギアナの9カ国。代表者数は、ブラジルとコロンビア各9人、ボリビア6人、エクアドルとベネズエラ各2人、仏領ギアナを除く残り3カ国が各1人だ。
 議長に選ばれたブラジルのネルシーニョ・トラッド上議(社会民主党・PSD)は、「現時点での主な議題はアマゾンの森林によって構成される広大な財産の保護」とし、700万平方キロに及ぶアマゾンは地上で最も豊かな生物多様性を持ち、純粋な富に恵まれた場所との認識を明らかにした。
 トラッド氏は21日、1月21日までに副議長候補を指名する事と活動計画を作るための提案を行う事を各国代表に要請した。次回の会議日程は未定だが、同氏は、「復活は我々の将来に決定的かつ確固たる影響を与えるだろう」と語った。

議長に選ばれたトラッド上議(Edilson Rodorigues/Agencia Brasil)

 コロンビアのフアン・ダヴィ・ヴァレス下議は、「持続可能性と富の双方を生み出す活動でアマゾンに相乗効果を生み出す」と述べた。ボリビアのマルタ・ルイス・フロレス下議は「会議復活はアマゾンの生物多様性維持に重要な変化をもたらし得る」と語った。
 ガイアナ国民議会議長のマンゾオル・ナジール氏は、地球温暖化による変化や影響は甚大で、早急な対処が必要とした上で、アマゾンに関する数字を提示し、解決策を示す独自の力を持つ法律を定める必要も訴えた。
 ブラジルのレオ・モラエス下議(ポデモス)は、アマゾンの保護には地域住民の参加が不可欠とし、「主権に配慮しつつ、開発と進歩について考えるために必要な地域特有の経験を伝えるには、地域住民や探検家に勝るものはない」と発言。先住民や川沿いの住民らの声を聞くよう訴えた。
 ブラジルの法定アマゾンでの森林伐採や森林火災の増加、先住民の人権問題は世界的関心事で、欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスル)との自由貿易協定の承認にも影響を与えている。
 アマゾン人間・環境院(Imazon)発表の11月の法定アマゾンの森林伐採面積は23%増の484平方キロで、11月としては過去10年間で最大だった。
 州別比率は、国道230号線が通るパラー州の48%を筆頭に、マット・グロッソ州19%、ロンドニア州10%、マラニョン州9%、アマゾナス州8%、アクレ州3%、ロライマ州2%、アマパー州1%だった。
 伐採の61%は私有地で起きたが、残りは用途の規定がない国有地で起きていた。先住民居住地などの環境保護区での伐採増加も目立つという。