来年2月の下院議長選挙で、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM・民主党)が推す後任候補を支持するか否かで、労働者党(PT)が2分していると、23日付現地紙が報じている。
PTは18日に同党党首のグレイシ・ホフマン下議を通して、下院議長選ではマイア氏が推す後任候補を支持する意向を表明していた。それは、ボルソナロ大統領の推すアルトゥール・リラ下議(進歩党・PP)当選を阻止するためだった。
だが、マイア氏が推す、現時点で最有力候補と目されているのは民主運動(MDB)のバレイア・ロッシ下議に強い反発がPTから出ている。それは、MDBがジウマ元大統領の副大統領でありながら、ジウマ氏を裏切り、罷免に追い込んだテメル前大統領の政党であるためだ。PTの前大統領候補のフェルナンド・ハダジ氏やジウマ氏本人が反対の意向を強く示しているという。
そこでPTとしては、もうひとりの候補のアギナルド・リベイロ氏を推すことを希望している。だがリベイロ氏はリラ氏と同じPPの所属であるため、擁立が難しいとの声が強い。
そもそもPTの中には、マイア氏が中道右派であることや、16年の下院でのジウマ氏の罷免投票の際、同氏が賛成に票を投じたことへの反発も少なくない。そうした人たちの中からはPTの独自候補を立てることを求める声も出ている。
下院野党リーダーのジョゼ・ギマリャンエス下議は、「リラ氏を打倒するという目的に従ってほしい」として党内の足並みの乱れを批判している。
PTは下院最大の54人の下議を誇るだけでなく、左派政党の中心でもあるため、マイア議長としては是が非でも支持が欲しいところだ。
マイア議長は23日、バレイア・ロッシ下議を後任候補にすると決めたことを公表した。