サンパウロ市にあり、ラ米随一の規模を誇る卸売市場であるサンパウロ州食料保管センター公社(Ceagesp)が23日、貧困家庭向けに世帯に、野菜や果物を含む食料品セットを配った。
同公社の存在は一般市民にもよく知られ、冬場には暖かいスープを提供するイベントなども行う。23日に行われた食料品セット配布は、同公社内で店を出す人々の協力を得て行われたもので、新型コロナで困窮している人々には、心から喜べるクリスマスプレゼントとなった。
6番ゲート脇に設けられた会場でのセット配布は午後2時に始まり、同公社周辺に住む人達による列は、社会的な距離を保ち、アルコールジェルで手指を消毒するよう指導する声に従って前に前にと進んだ。
配布にあたっての整理番号などはなく、前もって用意された約1500のセットを受け取った人達は、人混みを作るのを避けるため、三々五々散っていった。
同公社のリカルド・アウグスト・ナシメント・デ・メロ・アラウージョ総裁は、今回の食料品セット配布は「全ての家庭の食卓に食料が届くため」と説明した。
新型コロナのパンデミックは多くの失業者を生み、緊急支援金の支給だけを受けて生活を保ってきた人も多い。同公社はパンデミックの間も、活動を止める事なく、市民の食卓に食料を送り続けた。だが満足に食事ができない人達は後を絶たない。
アラウージョ氏は、「クリスマスに先立つこの行為は、ラ米一の規模を持つ果物や野菜、魚、花卉類の市場として、ブラジルの食糧保管の中心基地として、食糧の無駄や飢餓を減らす事で社会に貢献したいという思いの表れ」と言葉をつないだ。(23日付アジェンシア・ブラジルより)