【既報関連】ブラジル外務省サンパウロ事務所(ERESP)などが共同実施する講義シリーズ「Monuem―ERESP」の今年度最後の授業が11日にビデオ通話アプリを使って開催され、聖市内の公立学校の生徒達が外交官の仕事を擬似体験した。「本事業に参加でき、私にとっても総領事館にとっても大変光栄に思いました」――在サンパウロ総領事館(桑名良輔総領事)の池田泰久広報文化班領事は、11日の授業前に開催された閉会式でそう達成感と喜びを滲ませた。
池田領事は先月16日、本事業の一環で『持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた日本政府の取り組み』等をテーマにオンライン授業を行った。閉会式では、SDGsの達成に向けて必要なこととして、授業の際に生徒達に伝えたメッセージ「一人ひとりが社会の様々な課題に気づき、その解決に向けて行動すること」を改めて振り返ると共に、「科学技術による力」や国際的な協力関係が重要になると述べた。
同領事はそのうえで、日本外務省作成のビデオ『世界をつなぐ日本の科学技術—持続可能な未来のため』を流しつつ、科学技術の分野でノーベル賞を受賞した日本人はこれまで20人程に上るとして、日本はイノベーションを主導する国の一つであると紹介。
日本の大学や研究機関などで活躍しているブラジル人も多くいるとして、「皆さんの中でも科学者や研究者を目指す人がいたら、ぜひ将来日本で勉強したり、日本の研究者らと交流したりしてもらいたい」と呼びかけ、SDGs達成への願いを込めた。
サンパウロ市役所国際関係局のルイス・アルヴァロ・メンデス局長、ブラジル外務省サンパウロ代表事務所副所長のイレーネ・ヴィーダ・ガーラ大使、聖市教育局マルシア・ビバンコス・メンドサ・ダ・シルバ技術教育班代表なども出席。
ガーラ大使は在聖総領事館の参加に感謝すると共に「ブラジルの教育問題に対し、日本は問題解決に向けて貢献していくことを示してくれました」と語り、両国関係の強化へと繋がったと述べた。
アルバロ国際関係局長は「在聖領事館が本プロジェクトへの取り組み支援を他総領事館にも繋いでくれた」と説明し、感謝の意を表した。
このMonuem事業は40年以上前にハーバード大学で「人前で話す力」「聞く力」「国際問題の理解を深める力」を養うために発足したプロジェクト。聖市や州内の州立技術学校(ETECs―)が協同でプログラムを組み実施しているものだ。
聖市内では、グローバル・アティテュード研究所とブラジル外務省サンパウロ事務所、市教育局、市国際関係局等が共同でこの計画を実施している。