リオ連邦大学と科学技術省国立コンピューターサイエンス研究所が、リオ州内で採取されたサンプルから新型コロナウイルス(Sars-CoV-2)の変異種といえる遺伝子情報を確認した。
科学技術省によると、カーボ・フリオ、ニテロイ、ドゥッキ・デ・カシアスの3市の住民から採取されたサンプルから、B.1.1.28と呼ばれるコロナウイルスの亜種の変異種五つを特定したという。これらの変異種は、今年7月には出現していた可能性がある。
五つの変異種の感染力は特に強いとはいえず、現在治験中のワクチンの有効性には影響を及ぼさないという。同省では今後も、変異種や動物への感染などに関する研究を続ける。抗体や予防接種によって生じる免疫を損なう変異出現の可能性なども、長期的に研究していく意向だ。
同州科学技術発明局によると、国立コンピューターサイエンス研究所が配列決定した新型コロナウイルスの180のゲノム中38は、新しい株と思われる遺伝子変異を示した。ウイルスは構造が簡単で、リボ核酸(RNA)かデオキシリボ核酸(DNA)のどちらか一つしか持たない。このRNAまたはDNA上の全遺伝情報をゲノムと呼ぶ。ウイルスは宿主の中でのみ増殖可能で、感染力の強さは他の生物の遺伝子の中に自らの遺伝子を入れる能力の高さといえる。
オズワルド・クルス財団(Fiocruz)によると、無症状や軽症だった患者の抗体は弱く、遺伝子情報が異なる株のウイルスに感染した場合に抗体として機能しない可能性があるという。
「無症状者らの抗体は弱い」との説は以前も発表された事があるが、今回発表された研究結果によると、無症状者や軽症者は再感染する可能性が想像されていた以上に高い可能性があるという。
新たな研究では再感染の場合は初回感染より重症化する可能性がある事も明らかになった。再感染は稀とされているが、Fiocuruzは、無症状だった患者が別の遺伝子情報のウイルスに感染した例や、リオ州内で確認されていた型だが変異したウイルスに再感染した例などを確認している。後者のような例はこれまで感染が長引いていると判断されていたが、変異種による感染も再感染と考えるべきとの声が出ている。
Fiocruzのチアゴ・モレノ氏は、新型ウイルスも他の気管支系疾患を引き起こすウイルス同様、再感染を起こしうる事や、最初の感染が二度目の感染阻止を保障できない事が確認できたとし、無症状者や軽症者に注意を呼びかけた。
保健省の基準の再感染は、遺伝子情報が異なる型による感染に限定されているが、既に罹患した型の変異も含めれば、再感染と認定される例が増える可能性が強まる。遺伝子情報が異なるウイルスによる感染である事が確認され、再感染とされた例は国内でも複数出始めている。(24日付アジェンシア・ブラジル、23日付エスタード紙、24日付エポカ誌サイト、25日付ガゼッタ紙サイトなどより)