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《ブラジル》マルケス判事の判断に疑問続出=選挙高裁も当選者認定を中断

 選挙高等裁判所のルイス・ロベルト・バローゾ長官が27日、11月に行われた統一地方選挙の当選者の認定作業を一時的に中断した。
 これは、複数の判事が有罪判決を下し、禁固刑などを受けていた人物は刑期満了後、8年間は出馬できないとしたフィッシャ・リンパ法を、カシオ・ヌネス・マルケス最高裁判事が骨抜きにし、有罪判決時から8年間とする仮判断を下したため、自分も有資格の当選者といい始めた候補者が出てきたためだ。
 認定作業を中断した候補の一人は、サンパウロ州ピニャルジーニョ市の市長選に出馬し、得票率55・86%で当選したチアン・ザナルディ氏(キリスト教社会党・PSC)で、フィッシャ・リンパ法に引っかかり、選挙地域裁が出馬登録を拒否していた。
 また、ペルナンブコ州ペスケイラ市の市長、マット・グロッソ・ド・スル州アンジェリカ市の市長、ゴイアス州ボン・ジェズス・デ・ゴイアス市の市長、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市の市議の4人もやはり、フィッシャ・リンパ法の対象となっている。
 バローゾ長官は、マルケス最高裁判事の判断は来年の最高裁大法廷で審理する必要があると考えており、これら5人の候補者の扱いを一時的に保留し、休暇中に個別に検討する事にした。また、マルケス判事の判断は認定作業の翌日に出ており、本来ならば、認定作業には適用されないはずだったとの考えも示している。

 マルケス判事の判断については、最高裁や選挙高裁、連邦検察庁から批判が出ており、検察庁長官も再考を要請済みだ。ルイス・フクス最高裁長官は既に、マルケス判事に検察庁長官からの意見書を転送している。
 バローゾ長官は、各候補の当否の判断だけでなく、再考を要する市の市長選をやり直すか否かの判断も、最高裁での審理まで持ち越す事にした。これにより、先に挙げた四つの市では、市長候補の出馬登録ならびに当選認定、または市長選のやり直しが決まるまで、市会議長が市長代行を務める事になる。
 バローゾ長官の決定を不服とする5人の候補達は最高裁に当選を確定するよう申し立てたが、最高裁は休暇中のため、とりあえずはフクス長官が申し立てを受け付けるが、今回の休暇中は複数の判事が対応する可能性がある。(27日付エスタード紙などより)