23日に帰朝する山田彰駐ブラジル日本国大使が、日系社会向けの別れの挨拶動画(https://www.youtube.com/watch?v=mY4YipWk1sE)を、同大使館ユーチューブチャンネルで公開した。内容の日本語訳は次の通り。
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ブラジルの、そして中南米の日系社会の皆さん、こんにちは。駐ブラジル日本大使の山田彰です。
このたび、私は4年3カ月のブラジル勤務を終えて、11月23日に帰国することになりました。前職の2年9カ月のメキシコでの勤務を含めて、約7年間、中南米で大使として勤務しました。
この間、対面、及びオンラインで、日系社会の様々なイベントに参加し、ブラジル、メキシコだけでなく、中南米各国の日系社会の皆さんと交流する機会を持つことができました。特に、若い日系人の皆さんの会合に積極的に参加し、その意見を聞くように努めてきました。
また、2018年の「ブラジル日本人移住110周年」の機会に訪伯された眞子内親王殿下に随行し、ブラジルの5州14都市を訪問したことは忘れられない思い出です。
外務省に入省して41年、日本と中南米日系社会との協力・連携の強化は、私にとっての外交官としてのライフワークの一つでした。
ブラジル各地を訪問して、日本人移住者・日系人の皆さんが忍耐・努力を重ねてそれぞれの社会において強い信頼を勝ち得てきたという「先人たちの努力」と、日本の文化や伝統を日系社会において受け継ぐとともに社会に広く普及しているという「今日の人々の努力」を私は感じます。
今日の日本とブラジル、日本と中南米諸国の良好な関係の基には、こうした努力が存在しています。
中南米の日系社会は世代の変遷、外部環境の変化等により、変化しています。こうした変化を踏まえつつ、これからは、特に日系人の若い世代が、いかに日系人としてアイデンティティを保ち、日本との絆を維持していくのか、それぞれの国で社会に対し現代の新たな日本の魅力、情報を発信するなどの活躍ができるか、が大事です。
そのために、日本政府も様々な施策を検討するでしょうし、大使館としても努力していくものと考えます。
私自身、日本に戻っても、ブラジルを含む中南米の日系社会との連絡は維持したいと思っています。また、皆さんと何らかの形でお会いできることを楽しみにしています。
どうもありがとうございました。