サンパウロ州内陸部のセルタンジーニョ市出身で4年前から米国メリーランド州に住み、昨年3月に新型コロナウイルス感染症に罹ったドウグラス・フェリザルド氏(27)が、1月1日に第1回目のワクチン接種を受けた。フェリザルド氏は眼科技師で、医療従事者としての優先接種の対象となった。
フェリザルド氏は3月の感染時、高熱や呼吸困難に加え、2週間、味覚や嗅覚を失う経験もしたという。同氏の場合は自宅療養で回復したが、それでも死ぬのが怖いと思ったという。
そんな思いをした後だけに、フェリザルド氏にとり、1日に初回接種を受けられた事は、まさしく「トンネルの終わりの光」で、心底からの解放感を味わったという。だがそれと同時に、家族はまだ、自分が受けた恩恵を受けられずにいる事に悲しみを覚えたという。
同氏が受けた予防接種はファイザー社製だ。米国では、ファイザー、モデルナの二つの製薬会社が開発したワクチンの接種が行われている。ファイザー社製は12月14日から、モデルナ社製は同20日から接種が始まっており、4日には、同国で最初に予防接種を受けた人達が第2回目の接種も受けた。フェリザルド氏の場合、第2回目の接種は19日に予定されている。
フェリザルド氏は米国人と結婚して、米国に移住。英語を習得後、看護師の資格を取り、2年間働いたが、その後に眼科技師の資格も取得。現在は眼科医と共に特殊な手術などに参加しているため、優先接種者リストに入ったという。
1日の接種者は相当数いたが、接種そのものはきちんとコントロールされており、混乱もなく行われ、副作用もなかったという。
ファイザー社のワクチンの緊急使用は世界保健機関(WHO)にも正式に認められている。(4日付G1サイトより)