「4年間住んでいて気づかなかったブラジルの良さを再確認するきっかけに」――コロナ禍をきっかけに日本の友達と共にユーチューブへの動画配信を始めた城間クリスチーナさゆりさん(三世、28歳)はそう始めた動機を語った。友だちと始めたユーチューブ「A女チャンネル」では「ブラジルで生きる!アラサー独身女子の日常。~アボカドのおすすめ食べ方~」といったブラジルならではの動画も投稿している。
城間さん以外のメンバーは日本在住のため、話し合いには時間が合う時に参加し、必要な連絡はライン(日本で主流なワッツアップと同様なアプリ)でとりあっているという。主要メンバーだけで9人もおり、意見が衝突する時もあるという。
動画投稿は1人でもできるが、「皆でやっているチャンネルであえてブラジルを紹介することで、もっと知ってもらえるようになるのでは」と参加理由を説明する。
城間さんは三世だがブラジルに住みだして4年ほど。日本ではブラジルに関する報道が誇張されていると感じ、日本の友人の中でも「すぐ物を盗られるところ」などと悪いイメージが先行していると見ている。
今後は「人の温かさやブラジル人自身も良くわかってない良さを紹介する動画を作って行きたい」と意気込む。
大学で演劇を学んでいただけに表現することが元々好きだった。「もっと自分の考えや気持ちを伝えたい」と実感し、ブラジルについても「深く知ろう」と積極的に動けるようになったという。
城間さんが友人たちと活動するチャンネル名のA女とは「アラサー」(around thirty、30歳前後)の略。20代後半の未婚女性達の日常を赤裸々に見せていくチャンネルとなっている。
動画配信を始める以前は、誕生日などの折に連絡を取る程度に疎遠になっていた。だが、コロナ禍を機に頻繁に連絡を取るようになり、以前から「何かしたいね」と話していたところユーチューブのアイデアが浮かんだ。
現在女優活動している人もいれば、城間さんのようにブラジルに来た人も。「見た人が『こういう生きかたをしてもいいんだ』と思えるような内容にしていきたい」と目を輝かせる。
城間さんはデカセギの両親に連れられて幼少時に訪日し、桐朋(とうほう)学園芸術短期大学で演劇を学んだ。日本育ちのデカセギ子弟だ。
2014年にブラジル日本交流協会で1年間研修を当地で送るうちに気に入り「絶対また戻ってくる!」と決心。帰国後に日本語教師の資格を取得し、16年に、かつての研修先だったサンベルナルド・ド・カンポ市のアルモニア日伯学園に戻った。今回は日本語教師のアシスタントを経て、実際に現場で教えている。
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