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《ブラジル》コロナバックの有効率78%=8日に正式な緊急使用申請へ

コロナバックを握るドリア知事(Governo de Sao Paulo)

 サンパウロ市ブタンタン研究所が7日、新型コロナウイルスのワクチンとしてサンパウロ州政府から期待されている中国製ワクチン「コロナバック」の最終治験の結果を有効率78%と発表した。同研究所は既に、同ワクチンに関する緊急使用許可の仮申請を行っており、国家衛生監督庁(ANVISA)との会合を重ねている。7日付現地サイトが報じている。
 コロナバックのブラジルでの治験と国内生産を担当しているサンパウロ市ブタンタン研究所は7日午前もANVISAと会議を行い、最終治験でのコロナバックの有効率は軽症者の場合で78%と伝えた。
 報告によると、治験には1万2476人のボランティアが参加し、220人がコロナウイルスに感染した。だがそれにより死亡したり、入院するほど重症化した例や中程度の感染例は1件も出なかったという。重症者や中程度の患者、入院患者の発生は100%抑えられ、軽症で診察を受けた人の割合も78%減ったという。
 他社のコロナワクチンでは、米国のファイザー製薬やモデルノ社、ロシアのスプートニクVが90%以上の数値を記録しているが、世界保健機関(WHO)が承認の目安にしている数字は50%であり、それは超えている。

 ブラジル保健省が優先的に使用を希望している英国の「オックスフォード・ワクチン」は62%だ。また、重症者や入院患者の発生が100%抑えられていることは大きい。
 抗体取得に関しても、若年層と60歳以上のそれは似たものだったという。ただ、高齢者の中でもリスクの極めて高い部類のグループに関しては、今後も継続して研究する予定だとしている。
 ワクチン1回分あたりの価格は55レアル程度で、ファイザー社の約半額。安価を売りにしているオックスフォード・ワクチンは17レアル程度だ。
 ブタンタン研究所は既にANVISAに緊急使用を求める仮申請を行っている。審査期間は最大10日とされており、8日にANVISAへ正式申請を行う予定だ。予定通りに進めば、サンパウロ州が予定している25日からのワクチン計画を正式な形で実施することができる。
 この日の会見に同席したジョアン・ドリア・サンパウロ州知事は、「今日は国と国民にとって重要な希望の日だ。これはサンパウロ州のワクチンだけではない。ブラジルのワクチンだ」と語り、承認に向けた自信を見せた。