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大サンパウロ都市圏=60~65歳の無料乗車が復活=地裁が予備判断、知事抗告へ

サンパウロ市内を走るバス(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 昨年12月にサンパウロ州知事と同市市長が発表した、市内のバスと地下鉄、聖市発着の都電(CPTM)や市間バス(EMTU)の無料乗車は65歳以上とする措置を覆す予備判断を、州地裁が7日に下したと7日付伯字サイトが報じた。
 この判断は、全国退職者・恩給生活者・高齢者組合、全国金属工業労働者連合、サンパウロ州とモジ・ダス・クルーゼス市の電気材料・金属機械産業労働者組合がジョアン・ドリア知事を相手に起こした訴えを受けたものだ。
 サンパウロ市内バスや地下鉄、CPTM、EMTUは60歳から無料で利用できていたが、この2月1日からは65歳以上しか無料利用できなくなる予定だった。当初は1月1日に開始するはずだったが、12月31日の知事令で1カ月先延ばしされた。60~65歳の人の高齢者用ビリェッテ・ウニコは2月から無効となるため、通常のビリェッテを作り、課金するか、現金で支払わなければならない。

 全国退職者組合は12月の時点で、無料乗車の権利停止とサンパウロ市長らに対する46%に及ぶ大幅な給与調整は、多くの人が新型コロナの感染拡大に伴う失業や減収で苦しんでいる世相に逆行するとして批判していた。
 65歳未満の高齢者の権利を制限する措置を覆したのは、失われる可能性がある権利の保証や、権利取得の前倒しを目的とする緊急措置としての予備判断なので、抗告によって覆される可能性がある。州政府には30日以内に抗告する権利が認められており、既に抗告の意向を表明済みだ。
 サンパウロ市には60~65歳の人が69万7千人いるが、市役所は恩恵を失う人は18万6千人と見ている。