新型コロナの感染拡大による影響を和らげるために導入された緊急支援金の支給が年末で終了した事により、340万人が極貧状態に転落する可能性があり、特にその影響は北部や北東部の方が大きいと11日付現地紙、サイトが報じた。
新型コロナが第1波以上の勢いで流行する中、緊急支援金の支給継続をと求める声は続いているが、現政権は支給継続に否定的だ。失業率が高い上、ボルサ・ファミリア(生活扶助)の強化・拡大もなされていないため、緊急支援金の支給が打ち切られれば、所得を失い、極貧状態に転落する人が340万人いるという。
コンサルタント会社テンデンシアスによると、緊急支援金の支給停止の影響がより大きいのは、北部と北東部。二つの地方では、人々の所得が約8%減少するという。
これらの地方では緊急支援金支給の恩恵も大きく、昨年の北部住民の所得は13・1%、北東部では8・3%増えた。経済活動の落ち込みは、北部が1・9%、北東部が3・8%で、ブラジル全体の4・4%減を下回っていた。
だが逆を言えば、緊急支援金以外の所得がなかった人は、支給打ち切りにより所得減少を余儀なくされ、経済活動も縮小する。同社によれば、北部の人達の所得総額は約8・5%、北東部の人の所得総額は約8%減少するという。
2020年のブラジル全体の所得総額は前年比で4・6%増えたが、今年は3・7%減少する見込みだ。他の地方の所得総額も、南東部は3・2%増が2・2%減に、南部は3・1%増が2・1%減に、中西部は4・2%増が3・8%減に、各々変わると見られている。