2月に行われる上院議長選で、ボルソナロ大統領と労働者党(PT)の推薦を得ているロドリゴ・パシェコ上議(民主党・DEM)が、日増しに有利になってきている。12日付現地紙、サイトが報じている。
上院議長選は、現職のダヴィ・アルコルンブレ議長(DEM)が推薦するパシェコ氏と、これまでに最も多く議長を輩出している民主運動(MDB)候補との一騎打ちとなる見込みだが、ボルソナロ大統領はパシェコ氏を推薦しているという。
これは8日に、上院政府リーダーのフェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ上議(MDB)が大統領本人から意向を告げられたことで明らかになった。大統領は公には表明しておらず、当初は「支持なし」で行こうとしていた。
これは意外な展開だった。なぜなら、パシェコ氏は当初、「ボルソナロ氏には不利な存在になる」と見られていたためだ。同氏はMDB所属の下院議員だった2017年、同じ党所属でありながら、テメル大統領(当時)の罷免審議を進めようとした経緯があるためだ。
その一方で、PTの上議たちも11日、パシェコ氏を推薦することを決めた。同党上院リーダーのロジェリオ・カルヴァーリョ氏と同副リーダーのジャッケス・ヴァギネル氏によると、推薦は「満場一致」で決まったという。両上議は推薦の理由を、「主義主張は異なり、PTとしては院内での独立を貫くが、議長には院内の調和を重んじる人物を選びたい」と説明している。
敵対関係にあるボルソナロ大統領とPT、さらにアルコルンブレ議長が推薦するとあって、現時点ではパシェコ氏がかなり有利な展開となっている。現時点でパシェコ氏への支持を表明しているのは、PT、DEM、社会自由党(PSL)、社会民主党(PSD)、社会秩序共和党(PROS)、共和者(RP)、キリスト教社会党(PSC)で、造反者が出なければ、29票を獲得できる見込みだ。
さらに、進歩党(PP)、自由党(PL)、民主労働党(PDT)もこれに続くとみられており、単純計算では過半数の41票を超えることになる。
一方、上院最多の13議席を誇るMDBは、候補確定が遅れており、ベゼーラ上議のほか、同党上院リーダーのエドゥアルド・ブラガ上議、同党議会リーダーのエドゥアルド・ゴメス上議、憲政委員会委員長のシモーネ・テベテ氏らが候補にあがっている。最近の報道ではテベテ氏を最有力視する声も目立っている。