第3地域裁判所(TRF3)は12日、今月17、24日に行われる予定の国家高等教育試験(ENEM)の会場試験に関して、再延期を認めず、予定通り行うよう命じた。同試験はコロナ禍により、すでに一度延期されている。12日付現地サイトが報じている。
ENEMは多くの大学が入試の参考にするため、大学受験生にとっては最も重要なテストの一つだ。今回は、コロナ禍の中にも関わらず、全国で578万人が受験する予定だ。印刷された問題用紙を使っての試験は1万4千カ所、20万5千の教室を使って行われる予定だ。
例年のENENは11月に行われているが、2020年の試験はコロナウイルスの影響で21年1月に延期された。
だが、現在は感染が再拡大していることから、多くの人が試験会場に集まるENEMでクライスター(大量感染)が起きることへの懸念が強まり、受験者や大学関係者の中から延期を求める声が高まっていた。
これに対し、TRF3のマリーザ・クラウジオ・ゴンサウヴェス・クシオ判事はこの日、「地域ごとの入学試験は現状でも行われている」ことを理由に試験日程の延期を禁止した。
同判事は、もしコロナ禍を理由に開催市の当局が実施困難と判断した場合は中止することができるが、その場合、主催の国立教育研究所(INEP)は、受験者に再試の機会を与えなければならない(コロナに感染した受験者は、事前に連絡すれば、2月23、24日に試験を受けられる)。
この判断に連邦司法支援局(DPU)は控訴を行ったが、受験がこれ以上先延ばしにされると、新入生の選抜作業が遅れ、大学の新学期に間に合わなくなる可能性も生じる。