【既報関連】サンパウロ州地裁のジェラルド・ピニェイロ・フランコ長官が12日、サンパウロ市内のバスや地下鉄、同市発着の都電(CPTM)や市間バス(EMTU)の無料乗車は65歳以上とする件を差し止めた予備判断を覆したため、60~65歳の人は料金を支払う必要が生じると12日付現地サイトが報じた。
サンパウロ市内と同市発着のバスと鉄道の無料乗車はこれまで、60歳以上の人に認められていた。ところが、サンパウロ市市長とサンパウロ州知事が12月に、サンパウロ市内の交通機関とサンパウロ市発着の交通機関の無料乗車は65歳以上とすると発表。この時は1月1日からの予定だったが、12月31日付知事令で、適用は2月1日からとなった。
これを不服とする全国退職者・恩給生活者・高齢者組合、全国金属工業労働者連合、サンパウロ州とモジ・ダス・クルーゼス市の電気材料・金属機械産業労働者組合がジョアン・ドリア知事を相手取って訴訟を起こし、7日に、60歳以上、65歳未満の人の無料乗車継続を認める予備判断が出た。
だが、ドリア知事が予備判断は司法から行政への介入で、公庫にも影響が及ぶと上告し、予備判断が覆り、無料乗車は65歳以上となった。
ただし、8日、12日付G1サイトによると、サンパウロ市内を走るバスに関しては、8日に60歳以上からの無料乗車継続を認める別の予備判断が出ており、今回の地裁判断後も、60~65歳の人が市内バスを無料で利用する権利が保たれている。
サンパウロ交通機関公社(SPTrans)によると、60~65歳で市内バスの無料乗車の権利を失う人は18万6千人だというが、サンパウロ市内にはこの年齢層の人が69万7千人いる。