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5団体=オンラインで新趣向の新年会=全伯から参加、文化紹介も=「進取の気性で良い新年に」

司会の中里クラウジアさんと上原テリオさん

司会の中里クラウジアさんと上原テリオさん

 日系5団体による新年会が8日午後7時からオンラインで開催された。司会の上原テリオさんは「右足から素晴らしい新年を始めましょう」、中里クラウジアさんは「昨年は沢山のことを学んだ。良い新年を迎えましょう」と呼びかけた。第1部では式典、第2部では文化紹介を行った。当日は山田彰大使、桑名良輔在聖総領事、ブラジル文化福祉協会の石川レナト会長、ブラジル日本商工会議所の村田俊典(としふみ)会頭、アリアンサの吉田エドアルド理事長、ブラジル日本都道府県人会連合会の市川利雄会長、サンパウロ日伯援護協会の税田清七パウロ会長も出席した。

 石川会長はまず、「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。新年会は日系社会と日本にとって特別な機会だ。今年はコロナ禍の新しいステップに入る。東京オリンピックも開催され、コロナを乗り越えた祝典になるだろう。ぜひその場に立ちあい、選手たちを祝福したい。オンラインの新テクノロジーはより広い層の参加を可能にした。その運営と企画を若い世代にまかせた。もっと彼らの活躍の比重を高めていきたい。進取の気性で新年を迎えましょう」と抱擁のジェスチャーをして締めくくった。
 続いて桑名総領事は「難しい時期においても、このようにオンラインで活発にイベントを続ける皆さんに敬意を表します。つねに情報取集を怠らず、気を付けて生活し、団結していきましょう。日本政府は常に日系社会を支援する姿勢です。本日、茂木外務大臣もブラジリアを訪問されました。本年もよろしくお願いします」と挨拶した。
 山田彰大使は「昨年来日系団体はオンラインでイベントを工夫して実施してきた。サンパウロの日系団体や企業は現地社会に協力し、大きな貢献をしてきたことに敬意を表します。昨年在日ブラジル人社会も30年を迎えた。今年は交流が徐々に再開される年だ。オリンピックも開催される。昨年はできなかったが、今年はサンパウロはじめ、全伯を実際に訪ねたいと思っています」と語りかけた。
 県連の市川会長が万歳三唱の音頭をとった。「昨年は危険で難しい年だった。だがオンラインを使って、さまざまなイベントを実施してきた。今年はもっと団結してエネルギーが一杯に、生産的な年にしましょう。万歳~!」と三唱した。
 オンラインらしい新趣向として、パラー州トメ・アスーや南麻州カンポ・グランデ、サンタカタリーナ州イジュイー、バイーア州サルバドール、リオ州ニテロイ、聖州モジ市など全国の日本語学校の生徒が参加して「新年の歌」「ふるさと」が合唱された。
 援護協会の税田会長が「制限の中で活動を続けてきた昨年。新年の日系社会の活躍と幸福を願ってサウーデ、ビーヴァ、万歳!」と乾杯の音頭をとった。この映像(https://www.youtube.com/watch?v=2cZ8Km8piso&ab_channel=BunkyoDigital)は文協デジタルは視聴可能。

 

新年会=第2部で正月の意味解説=日本料理や伝統文化や歌も

おせち料理を説明する白石シェフ

おせち料理を説明する白石シェフ

 文化紹介をする第2部の冒頭は、白石テルマシェフによるおせち料理の紹介が行われた。「全ての料理には新年の意味があります」と鏡餅、お屠蘇、レンコン、かまぼこ、昆布巻き、キントン、イクラ、黒豆などを順番に説明した。
 藤間流日本舞踊が歌舞伎の歴史から始まり、新年の舞の映像に合わせて、「開いた扇は、正月のおめでたい松の葉を象徴している」などとそれぞれの所作の意味を説明した。
 続いてブラジル茶道裏千家も初釜を映像で説明した。教場の各所の意味、つくばい(茶室に入る前に手や口を清める手水鉢)や茶室、お茶を入れる所作の意味を解説をした。
 さらにブラジル生け花協会から「初活け」。まず門松を中心にした生け花作品の作り方から各部分の意味、置く場所の説明を行った。
 玉城流扇寿会の斎藤悟琉舞道場の斉藤さんが舞踊「松竹梅鶴亀」の説明をし、城間和枝琉舞道場の晴れやかで厳かな実演が流された。
 「命の灯(ともしび)を一つにした心で守るのさ。つかみ取るんだ、明るい未来を、その手で」―トカンチンス、ポルト・ベーリョ、マセオ、ブラジリア、ボア・ビスタ、マリンガなど全伯の代表的コロニア歌手が出演して、日本語版とポ語版の「We are tha World」が力強く歌われた。
 上原さんは「今年は特別な年になる。皆それを信じよう」と呼びかけて締めくくった。