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《ブラジル》コロナ闘病中に当選のゴイアニア市長逝く

元気だった頃のヴィレラ氏(Divulgacao)

元気だった頃のヴィレラ氏(Divulgacao)

13日未明、新型コロナ感染で闘病中だったゴイアス州ゴイアニア市のマギト・ヴィレラ市長(71)が亡くなった。昨年11月の選挙で当選し、今年からの4年間、市長職を務めるはずだった…。
ヴィレラ氏は選挙運動真っ最中の昨年10月20日に新型コロナへの感染を確認。2日後に地元の病院に入院したが、すでに肺の75%が侵され、サンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン病院に転院した。
 以後、同院で80日以上の闘病生活を送っていた。11月の市長選は闘病中で直接参加できなかったが、決選投票で当選。覚醒中に当選を伝えられ、喜ぶ様子は広く報道された。
年末の検査で陰性となり、一旦は順調に回復かと思われた。だが、一般の集中治療室に移った後、1日の就任式には臨んだが、同時に休職も要請した。その後、肺炎が起きて投薬を受けていたが、11日に肺からの出血で手術。出血は止まったものの、13日午前4時10分に他界した。
ヴィレラ氏は市議、州議、市長、知事、下議、上議などの公職を歴任。ゴアイス州やゴイアニア市などが次々と服喪を発表。故郷のジャタイー市に埋葬される。
ヴィレラ氏は昨年8月に76歳と82歳の姉をコロナで失っており、自身の闘病も、厳しく、長いものだったが、帰らぬ人となった。ゴイアニア市長には、副市長で、1日から市長を代行していたロジェリオ・クルス氏が繰り上げ就任する。
新型ウイルスが、多くの人の期待を担っていた人やこれから何かをなそうとしていた人、夢を追いかけていた若者などの命を次々に奪い、これほど多くの人の生活を破壊するとは誰が想像しただろう。
コロナの死者は7日に20万の大台を超え、8日には大統領への抗議行動も行われが、失われた命は帰ってこない。
日本医師会会長は12月、医療現場への最大の支援は感染者数を減らす事と語ったが、ブラジルの感染者は増加の一途で、12日の死者は20万5千人に手が届く寸前だ。感染拡大に歯止めがかかるのはいつの事か。(み)