農務省国際関係貿易局が13日、20年の農産物輸出は19年を4・1%上回る1008億1千万ドル、輸入は前年比5・2%減の130億5千万ドルだったと発表した。これにより、農産物の貿易収支は877億6千ドルの黒字となった。
貿易局によると、輸出量は前年比で9・9%増えたが、単価が下がり、輸出総額は4・1%増に止まった。農産物輸出はブラジルの輸出全体の48%を占めている。
主要輸出品目と輸出に占める割合は、大豆やその加工品(352億2千万ドル、35%)、肉類(171億6千万ドル、17%)、セルロースや木材などの森林資材(114億1千ドル、11・3%)、サトウキビや砂糖、アルコールを含む加工品(99億9千万ドル、9・9%)、穀類やその加工品(68億9千万ドル、6・8%)となっている。20年はこれら5品目が農産物輸出の80%を占めており、19年の78・9%を上回った。
大豆やその加工品はブラジルの農産物輸出の要で、輸出量は1010憶4千万トンに上った。加工前の大豆は同品目の輸出額の81・1%相当の285億6千万ドル、8297万トンを占めた。
大豆輸出の中心は中国で、加工前の大豆の輸出の73・2%は中国向けだった。中国への輸出額は前年比で2・2%増の209億1千万ドル。大豆ミール(大豆粕)の輸出額は59億2千万ドル、輸出量は1696万トン。輸出量は新記録を更新した。大豆ミールの輸出は欧州連合(EU)が中心で、同品目の49・5%を占めたが、前年比では10・5%減となった。
農産物輸出の最大輸出相手国は中国で、輸出額は前年比で9・8%増の340億ドルに達した。中国向け輸出は農産物輸出の33・7%を占め、前年の32・0%を1・7%ポイント上回った。
中国に次ぐ貿易相手国は米国だが、20年の輸出額は69億6千万ドルで、前年より2・9%減少した。農産物輸出に占める割合も、7・4%が6・9%に縮小した。
米国への輸出減少の最大の原因はセルロースで、輸出額が2億49791万ドル減少した。また、エチルアルコールも輸出額が1億9813万ドル減った。だが、加工してない生のサトウキビの9935万ドル、牛生肉の9558万ドル、合板の8645万ドルのように、輸出額が増えた品目もあった。
輸出額3位はオランダで、前年比で3・7%増の40億7千ドルを輸出したが、農産物輸出全体に占める割合は4・0%に落ちた。
20年の農産物輸出は前年より増えたが、12月だけを見ると、前年同月の75億9千万ドルを3・8%下回る73億ドルに終わった。同月の輸出減少は価格指数が1・1%、量が2・7%減少した事が原因だ。輸出全体に占める割合も、前年同月の40・1%が39・8%に低下した。
同月の農産物輸入は、前年同月の12億1千万ドル比11・5%増の13億5千万ドルだった。
12月の農産物輸出は肉類、穀物と加工品、砂糖やアルコール、森林資源、繊維と繊維製品が中心で、全体の69・5%を占めた。(13日付アジェンシア・ブラジルより)