サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフ会長が14日、13日に行われた民間企業と政府とのビデオ会議で、民間企業にも従業員向けの新型コロナワクチン購入を認めるよう求めたところ、政府側が否定した事を明らかにしたと14日付現地サイトが報じた。
連邦政府は既に、予防接種キャンペーンは保健省が統括し、全国で一斉に開始する方針を明らかにしてきた。全国民に接種が行き渡るのには1年半程度かかるとみられている。
予防接種キャンペーンは来週にでも始まる見込みだが、生産活動の中心となる年齢層の人々の多くは優先グループに入っていないため、民間企業は、生産活動継続のためにも従業員達に早期の接種を望んでいる。
だが政府側は、予防接種は保健省が統括し、統一医療保健システム(SUS)を通してのみ実施との方針を再確認し、明確に可能性を否定した。そのためスカフ氏が改めて「現時点では民間企業が従業員用のワクチンを購入する可能性はない」と語る必要が生じた。
スカフ氏によると、政府側は、「ワクチンを購入する金や輸送手段、接種を実施するための場所や人材などは整っており、ワクチンの承認と到着を待つだけ」と語っていたという。
13日の会議には、ブラガ・ネット官房長官、ファビオ・ファリア通信相、エルシオ・フランコ保健省副大臣が出席していた。パズエロ保健相は先日からアマゾナス州マナウス市に滞在中で、フランコ氏が実務面を代行している。