ブラジル国内ニュース

《ブラジル》許可されるワクチンはどれか?=ANVISAが17日審議=一長一短のコロナバックとオックスフォード

ANVISA本部(Agencia Brasil)

 国家衛生監督庁(ANVISA)が17日、二つのコロナワクチンの緊急使用許可を巡る審議を行い、使用が認められれば接種がすぐに開始される可能性が高い。15日付現地紙が報じている。
 ANVISAが17日に審議するのは2種類。英国オックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発し、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)がブラジル国内での治験や国内生産を担当するオックスフォード・ワクチン。サンパウロ市ブタンタン研究所が協力し、国内生産も始めた中国シノバック社のコロナバックだ。
 前者はイギリスやインド、後者はインドネシアやトルコなどで、緊急使用の形の予防接種がはじめられているが、ANVISAの姿勢は慎重だ。同庁は8日にFiocruzとブタンタン研究所からの緊急使用許可申請を受け付け、資料の分析を行っている。
 だが14日、両者に対して「データが不十分」として、補完する資料の提出を求めた。ANVISAによると、オックスフォード・ワクチンでは31・3%、コロナバックでは33・7%の資料が足らないとの判断となっている。
 17日の審議はANVISAの5人の理事の投票によって決まる。5人の理事は全員、ボルソナロ政権が推薦・指名した人物であるため、一部では「コロナバックには不利なのではないか」との憶測も出ている。それは、大統領がコロナバックを推奨しているジョアン・ドリア・サンパウロ州知事と敵対関係にあり、中国をかねてから毛嫌いしているためだ。だが、これに対し、同監督庁のアントニオ・バーラ・トーレス理事長は、「審議が連邦政府の圧力を受けることはない。あくまでも技術的な評価になる」と審理の客観性を主張している。

 大統領は13日、コロナバックの有効率が50・38%と発表されたことに関して「その数字は良いのか」と発言し、有効性を疑っているかの発言を行ったものの、ANVISAが承認した場合は、同ワクチンを購入すると発言している。
 ブタンタン研究所は、最後の追い込みとして「50・38%というのは半分の人にしか効用がないということではない」ということをマスコミを通じて説明し、国民を説得している。
 同ワクチンの有効率は、他のワクチンがデータとして省いた、医師の診察や治療を必要としない、ごく軽症の感染症例を含んだ数字であり、ワクチンそのものの接種を受けた治験参加者からは重症者や入院を必要とする中程度の症状を呈した感染者が出ていないと説明した。ただし偽薬を投与された人からは出ている。また、医師の診察を必要とした軽度の感染者も、偽薬を投与されたグループと比べ78%少なかった。
 オックスフォード・ワクチンには、Fiocruzが輸入先としてあてにしているインドが国内需要を優先し、他国への輸出に難色を示しているという問題がある。緊急使用許可が同ワクチンにしか認められなかった場合に、インドが輸出を遅らせれば、ブラジルでの接種開始は保健省が描いている日程よりも遅れることになる。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button