ブラジル日系文学会(櫻井セリア会長)が『ブラジル日系文学』第65号(発行者=近藤アンドレ、編集者=中田みちよ)を発刊した。
初登場となる大浦智子氏の特集「哀しみのディアスポラ」を掲載。シリア難民へ取材した「あるシリア難民との出会いから」や聖市内に住む3人の難民を交え開かれたオンライン座談会の内容をまとめた「サンパウロ難民座談会・難民というジャケット」の2部構成となっている。
同作について中田会長は「意外だったのはドイツ移民問題」と挙げる。取材を受けたシリア人難民のアブドゥルさんの姉はシリア人難民を多く受け居れているドイツで暮らしているが、そこでの厳しい現状が描かれている。
このほか、大門千夏氏の「世界の中の日本人」第4回「一〇三日の船旅・オーロラを見に行く」、空出木(からで・ぱう)氏の「ブラジル政治雑談」第18回、小高利根子氏の「翻訳の舞台裏」第25回ではオンライン読書会について綴られている。
同号もコロナ禍の中の編集・発刊となり「日本語ページ編集メンバーは高齢者なので、皆さん外出できず私一人の編集となった」という。投稿者も高齢化しており日本語作品が減少しており、以前から日本語版の縮小を検討していたと打ち明ける。当面は、既に翻訳済みのブラジル文学や絵手紙の掲載などを続ける予定だ。
現在は日本語版が139頁、ポルトガル語版が79頁。本の入手についてはポ語版の編集等行う近藤アンドレさんにポル語で問合わせを(電話=11・99432・8289、メール=kondoandre@yahoo.com)