中央銀行の通貨政策委員会(Copom)が20日、経済基本金利(Selic)を年2%で据え置く事を全会一致で決めたと同日付現地サイトが報じた。金利据え置きは3会合連続だ。
中銀は会議後、現在はインフレが上昇する事も下降する事もあり得るとし、コモディティ価格の上昇や為替高はインフレを押し上げるし、経済活動の停滞や新型コロナの感染者増加は需要の低下やインフレを押し下げると説明した。中銀自体は年内には基本金利引き上げを始める見込みだ。
現在の金利は、現行制度開始以降で最低のレベルだ。15年7月は年14・25%に達したが、16年10月からは下がり始め、18年3月には年6・5%となった。金利は19年7月以降、再び下がり始め、20年8月に年2%に達した。
基本金利はインフレ抑制の基本ツールで、インフレ上昇時は引き上げられる。だが、経済活動の活性化が望まれる時は、融資やローンの使用を容易にし、市場に通貨が出回りやすくするために引き下げられる。
今回の会議後、全国工業連合(CNI)は、ここ数カ月間のインフレは一時的なもので、今回の金利据え置きでインフレが高騰する事はないと判断。むしろ、金利据え置きは企業や消費者のクレジット利用を容易にし、経済活動と雇用を改善させるのに役立つとして、歓迎の意を表した。
サンパウロ州商業協会(ACSP)も、1月は農産物の収穫期だから食料品の供給量が増え、今後数カ月間は物価も下がるはずと判断。新型コロナの予防接種開始で経済活動が回復に向かえば、為替も安定し、低金利を保つ事が容易になると見ている。