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《ブラジル》医療崩壊などで大統領の支持率急落=罷免求めるデモも再び活性化

23日、ボルソナロ大統領の罷免を呼びかけるデモ(Twitter)

 新型コロナ対策の不備や予防接種の遅れ、一部地域で顕著となった医療崩壊などの責任を問われる形で、ボルソナロ大統領の支持率が急落し、罷免に向けた動きも活発化している。22〜26日付現地紙、サイトが報じている。
 20~21日に行われたダッタフォーリャ社の世論調査によると、ボルソナロ政権の支持率(良い・最良)は12月の調査での37%から31%に急落した。ボルソナロ政権成立後、同社の調査で支持率がここまで急落したことはなかった。非支持率(悪い・最悪)は32%から40%に跳ね上がった。
 別の調査会社の数字はもっと悪い。ビジネス雑誌「エザーメ」の「エザーメ/イデイア」社が同時期に行った調査だと、支持率は37%から26%へとさらに大きく後退している。また、非支持率は45%に急伸した。
 ボルソナロ政権への支持率は、新型コロナのパンデミックに伴う緊急支援金が好評で、20年後半に上昇した。だがその支援金が12月までで終了してしまったこと、アマゾナス州マナウスで起こった病院の酸素不足による窒息しなどに見る医療崩壊、さらにコロナワクチンの調達や接種をめぐる不手際などで支持率を大きく下げてしまったと見ている。

 また、ダッタフォーリャ社は大統領罷免の可能性についても国民に質問を行っているが、これによると、53%の国民は大統領の罷免には反対で、賛成は42%だった。
 だが、アトラス・ポリチコと言う団体が同時期に行った世論調査だと、53・6%が罷免には賛成で、反対の41・5%を上回っているという。
 ここのところ、ボルソナロ大統領に対する抗議運動も激しくなってきている。21日から23日にかけては、各州都で鍋叩きデモ「パネラッソ」が行われた。さらに23日には、大統領反対派による車両デモ「カレアッタ」が行われた。
 カレアッタはボルソナロ氏の支持派が行うイメージが強かったが、やり返される形になった。これらのデモには左派だけでなく、右派も参加しているという。