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《ブラジル》ブラタクの絹は欧州でも人気=西半球では唯一の紡績工場

ブラタク製糸株式会社 (Bratac)のサイト(http://www.bratac.com.br/bratac/pt/index.php)

 農務省によると、パラナ州産の絹は国内の生産量の85%を占め、高品質の製品は高級品を好む欧州やアジアの市場にも輸出されているという。
 養蚕業はサンパウロ州やマット・グロッソ・ド・スル州でも行われているが、パラナ州には西半球で唯一の紡績工場(ブラタク製糸株式会社 、Bratac)があり、生産量の95%を国外に輸出している。
 この工場の製品の大半は、高級品志向のフランス、イタリア、日本を中心とする欧州やアジアに輸出されている。日本でも「BRATAC シルクカーディガン」などで有名だ。
 2019年の輸出量は432トンだったが、2020年はコロナ禍で、312トンに落ちてしまった。
 ブラジル産の絹は品質の良さで知られ、何世代にもわたる顧客もいる。顧客の多くは家族経営の企業や既存の顧客から口コミで品質などの情報を得た企業で、紡績工場側も顧客の必要や要求をよく知った上で対応できるという利点がある。
 ブラジルでの養蚕は日本人移民が入ってきた後の1930年代に始まった。現在は、パラナ州北部、中央部、北西部を中心とする地域の農家が家族単位で桑の栽培や蚕の世話をしている。養蚕には蚕や桑に適した気候が不可欠で、パラナ州に養蚕が根付いたのも同地の気候のせいだ。
 同州の農産物輸出を管理しているセルソ・ウルバノ・フィーリョ氏によると、ロンドリーナ地方の気温は蚕を育てるのに最も適した22~27度だという。

工場に運び込まれた繭(24日付G1サイトの記事の一部)

 昨年から養蚕に携わり始めたマルシオ&ジョジアネ・ピエツルザック夫妻は、「輸出用ならなおの事、細心の注意を払って世話をしないとね。うちの蚕の糸も輸出品の一部に含まれるはずだから」と語っている。
 糸を取るのに使われる繭は、4回目の脱皮を終えた後の蚕が糸を吐きながら作ったものだ。蚕は繭の中でもう1度脱皮してサナギとなるが、成虫になる前に紡績工場に運ばれる。工場に運び込まれた繭は、厳密な検査や分別の後、蒸気の熱で乾燥させる(蚕はこの時点で死ぬ)。繭はこの後も湿度や温度を厳密に管理した倉庫で1カ月以上に貯蔵され、その後に糸を採る工程に入る。
 シミやへこみがある繭は外すなどの選定作業後は、慎重に温度を管理しながら煮て糸を採る。一つの繭から採れる糸は1キロメートルを超える事もある。繰糸器に巻き取られた糸は太さや長さを調整しながら1本の糸に仕上げられるが、ここでも、弾力を失わないように糸を湿らせて柔軟処理をした後、大きな枠に巻き取り、湿度や温度を調整した部屋で寝かせるという丁寧な作業が行われる。(24日付G1サイトより)