コロナワクチンの予防接種に関して、リオ市が2月1日から一般の高齢者への接種をはじめる方針を決めた。対してサンパウロ州は、「連邦政府が早急に追加買上を明言しない場合は、コロナバックを輸出に向ける」などの強硬な姿勢を突きつけている。28日付現地紙が報じている。
リオ市では今週、60歳以上の医療従事者に対する接種を行っており、先週は、施設に入っている60歳以上の人とコロナ感染者らに対峙する現場の医療従事者への接種が行われていた。今週中は一般市民への接種は行われないが、2月1日からは一般の高齢者への接種を開始することが28日に発表された。
接種は市内236カ所の医療機関で行われ、1日に「99歳以上」の人への接種を開始、2日に98歳、3日に97歳、4日に96歳と1日ごとに対象年齢を1歳ずつ下げていく。
6日の土曜日は1~4日に接種を受けられなかった95歳以上の人が対象で、日曜日以外は接種を続けていく計画だ。現時点では、80歳の人が接種を受ける2月27日までの計画が立てられている。
一般高齢者を対象とした接種は今週すでに三つの州都で開始されている。セアラー州フォルタレーザでは75歳以上、ペルナンブッコ州レシフェでは85歳以上、南大河州ポルト・アレグレでは60歳以上が接種を始めている。
一方、サンパウロ州では、コロナバックの2回目の接種開始を、第1回目の接種日から28日後までに先延ばしすることを求めている。同ワクチンは2回の接種が義務付けられている。2回目は14〜28日後とされており、その最も遠い日程での接種を州は望んでいる。少しでも多くの人に1回目の接種を施して、感染拡大を抑えることを狙った策だ。この件は保健省の承認を得る必要がある。
コロナバックの国内生産を担当するサンパウロ市ブタンタン研究所は27日、コロナバックを輸出する可能性を示唆した。これは、国内外での需要の高まりなどが原因だ。コロナバックによる一斉接種は元々、サンパウロ州のみではじめる予定だったが、各方面からの圧力を受けた保健省が同ワクチンの一括購入を決めた。
17日に同ワクチンの緊急使用が認められた後は、同時に承認を受けたオックスフォード・ワクチンの国内到着が遅れたこともあり、中国から輸入した完成品が18日に全国に配布された。コロナバックは国内生産した追送分90万回分と合わせ、690万回分を納品済みだ。現在は国外からも供給が求められている。
連邦政府はコロナバックを管轄するサンパウロ市ブタンタン研究所と、4月までに4600万回分のコロナバックの購買契約を結んだ。その時に示唆した540万回分の追加購入について保健省が態度を明らかにしないことに研究所側がしびれを切らせている。
同研究所は当初の話通り、連邦政府が5400万回分を追加購入することを望んでいるが、ジマス・コーヴァス所長は今週中に態度を明らかにするよう要請。「連邦政府が連絡をくれない場合、この5400万回分は他の州や市、さらに興味を示している国外に売ることも検討している」と語っている。