アミルトン・モウロン副大統領は28日、下議たちにボルソナロ大統領の罷免を働きかけていた疑惑を持たれている側近の解雇を決めたと28、29日付現地紙、サイトが報じている。
モウロン副大統領の側近が複数の下院議員に大統領の罷免を持ちかけていた疑惑は、28日付のサイト「アンタゴニスタ」の報道で明らかにされた。
同サイトが報じたのは、側近のリカルド・ロエシュ・モラト・フィーリョ氏がある下議の側近とワッツアップで交わしたメッセージだ。モラット氏はそこで「複数の下議の側近たちと話している。準備ができているのはいいことだ」と語っている。
下議側近が「何のための準備だ?」と問うと、モラット氏は「以前はアウグスト・エレーノ安全保障室(GSI)長官が軍内部の絶対的存在だった(軍人閣僚を統括していた)。だが、今はモウロン氏が台頭し、二分化している」「大統領はパンデミック対策で失敗を繰り返し、失墜している。モウロン氏の方が準備が出来ているし、政治家だ」と答えていた。
この会話は公開されると同時にボウソナロ派の反感を買い、「モウロン氏がクーデターを起こそうとしている」との騒ぎとなった。
これにはモウロン氏の陣営も驚き、モラット氏解任を即座に発表した。
モラット氏は休暇中だった。グローボ紙によると、同氏はモウロン氏に事実関係を問われ、「携帯電話がハッキングされた」と主張したというが、モウロン氏は信じなかったという。
モウロン氏と大統領の関係が危うくなっている例はこれだけではない。同副大統領は27日、2月に行われる見込みの閣僚改編について問われ、「複数の閣僚が入れ替わるだろう」とした上で、具体的にエルネスト・アラウージョ外相の名前を挙げた。
アラウージョ氏に対しては、中国との関係を悪化させて中国からのコロナワクチンの原材料の輸入に支障をきたしたとして、辞任を求める声が高まっているが、元々は大統領がヒエラルキーを無視して強引に外相に就任させた経緯がある。大統領はモウロン氏の発言直後にアラウージョ氏を擁護する発言を行い、「現政権閣僚は私が決定する。誰一人外さない」とも強調した。
だが、中道勢力のセントロンなどは、両院議長選後に閣僚や公社総裁などの人事改変が行われることは確実と見ている。