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《ブラジル》先住民居住区に検疫用防護壁=人や物の動きによる感染回避

医師の診察を受ける先住民保護区の住民(Divulgacao/Ministerio da Defesa)

 ボルソナロ大統領が先住民保護区の検疫のための防護壁を設ける事を認める暫定令を出し、1日付連邦官報に掲載した。
 検疫用の防護壁は物理的な壁を築くというよりは、先住民保護区に出入りする人や物の動きを監視するための監視所を設け、監視員を置くことを意味する。
 保護区に居住する先住民が保護区外に出て戻ってくる時や、保護区以外の場所に住む人が保護区に入る時は、その前に社会隔離の期間をとるといった方法で、ウイルスや感染者の流入を回避し、保護区内でのクライスター発生を防ぐためのものだ。

 監視所の設営や監視員確保などの計画作りは、国立インジオ保護財団(Funai)が担当する。同様の暫定令は昨年10月にも出されたが、連邦議会が年末までに審議する事ができず、有効期限が過ぎてしまった。
 全国先住民連合(Apib)によると、新型コロナのパンデミックが始まって以来の先住民の感染者は4万7500人を超えており、死者は942人に上っている。新型コロナ感染症への感染者や死者は、全国の161部族で確認されている。
 ただし、保健省の統計での先住民の感染者は4万1645人、死者は544人となっている。両者の差は、保健省の統計では先住民保護区に住んでいる先住民だけを対象としているために生じたものだ。(1日付アジェンシア・ブラジルより)