「これからも若い方の力を貸してください」――「第33期教師養成講座」閉講式の挨拶で、ブラジル日本語センターの日下野良武理事長は、これから日本語教師の道を歩み始める受講生達にそう期待する言葉を贈った。同センターは1月19日11時45分から閉講式を開催。受講した12人がオンライン上で修了証を授与された。
受講生は昨年の1月8日から同日まで合計408時間に及ぶ通信講座を受講し、課題をこなしてきた。例年スクーリングによる講座や模擬授業が開催されていたが今年はコロナ禍でオンライン上での実施となった。
来賓のJICAサンパウロ事務所の江口雅之所長はコロナ禍で対面の研修が難しくなる中、オンライン授業が活発化していることを説明し「ニーズも多様化しており、同講座を通じて最新の技術を習得された」と敬意を表すと共に受講生達の今後の活躍へ期待を込めた。
次に国際交流基金サンパウロ文化センターの洲崎勝所長は1年に及ぶ講座を修了した受講生へ「皆様から教師になりたいと強い意志を感じた」と称え、知人教師から教えられたという言葉「教師はサービス業」と共に学習者の視点に立った授業が必要と激励の言葉を寄せた。
同講座のコーディネーターを務めたノゲイラ亜也さんは「開講式を振り返ったら成長を実感できるのでは。でもここからがスタート地点」と更なる成長を期待し激励の言葉を投げかけた。「悩んだ時は1年間共に学んだ仲間や講師達がいることを思い出して」と修了を祝った。
清水伸哉さんも「スクーリングがオンラインになった時不安でしたが、オンラインで課題のシェアや動画による講義を体験でき良かった」と自信に変わった様子。
スズキ・カルドゾ・ミチコ・ジュリアナさん(四世)は「今までやりたい事がなく、大学にもいきませんでしたが、1年間楽しくて続けたいと思えた」とやりがいを見つけた受講生も。
同講座の講師で日本語教師歴30年のベテラン、植西晶子さんは「世界一楽しい仕事だと思う」と断言。「教師として専念できない時期ももあるかもしれませんが、歳をとっても出来る仕事。長く細く続けて欲しいです」と頷いた。
修了式前、ロッソ石塚多美子オルランナさん(三世、聖市、教師暦15年)は「ブラジルはとても広いので切磋琢磨できる機会としてOBが一同に介する場が是非ほしい」と「OB会」を提案していたという。1年の講座を通して「こんなに仲間が出来るとは思わなかった。色々な経験を知る事で素晴らしい経験になりました」と振り返った。
この「OB会」について日下野理事長も「大賛成です。ぜひ世代を超えた繋がりを作って欲しい」と笑顔で後押し「コロナ禍が落着いたら日本語センターにコーヒーでものみに来て」と歓迎した。