19年1月に起きたミナス州ブルマジーニョでのダム決壊事故で、Valeとミナス州政府の間の合意が成立し、4日にサインが行われたと同日付現地サイトが報じた。
Vale社所有のコレゴ・ド・フェイジョン鉱山のB1ダムが決壊し、270人が死亡した事故は、19年1月25日に発生。すでに259人は遺体が見つかった。捜索はイスラエル軍兵士や州内外の消防士らの手を借りて行われたが、懸命な努力にも関わらず、現在も11人が行方不明のままだ。
州政府は当初、道徳的な損害や環境破壊などで550億レアルを要求したが、最終的には376億8千万レアルで合意が成立。4日朝、裁判所で文書へのサインが行われた。
4日の公判は6回目で、合意額は同種の訴訟では過去最高だった70億レアルを大幅に上回る史上最高額となった。だが、遺族を含む被害者達は、Valeと州は被害者達に納得のいかない合意を結び、被害者達の権利を侵害したとして抗議している。
B1ダム決壊事故は作業現場や近隣地域にいた人々や農地を巻き込んだだけでなく、地域の河川とその下流への汚泥流入で飲用水や灌漑用水の取水が不能となるなど、甚大な被害をもたらした。
15年11月に同州マリアナ市で起き、19人の死者を出したサマルコ社のフンダン鉱山ダム決壊事故とブルマジーニョ市の事故は、鉱滓ダムの在り方や管理に対して多くの疑問を生じさせ、鉱滓ダムの解体を進める動きにも繋がった。だが、ダム解体は経費も時間もかかるため、決壊の危険度が高いのに解体が進まないダムも残っている。